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「ウォールストリートに見逃し三振はない」——焦らず待つ投資の美学

yoshihiro734537

ウォーレン・バフェットの言葉の中でも、多くの投資家に深く刺さるのがこの一言です。

“The stock market is a no-called-strike game. You don’t have to swing at everything—you can wait for your pitch.”
「株式市場には見逃し三振はない。すべての球を打つ必要はない、自分の打ちたい球を待てばいい。」

この言葉は、短期的なノイズや焦りに惑わされず、「本当に価値があるチャンスだけを選ぶ勇気」を教えてくれます。


■「見逃し三振」がないということ

野球では、好球を見逃すと三振になります。しかし、株式市場では違います。どんなに多くのチャンスを見送っても、アウトにはならないのです。
誰も「なぜ買わなかった?」と強制するわけではありません。買わなかったことで利益を逃しても、それは失敗ではなく「リスクを取らなかった判断」に過ぎません。

ところが、私たちはニュースやSNS、周囲の投資仲間の話を聞くと、つい心が揺れます。
「みんなが買ってるのに、自分だけ乗り遅れたら損するんじゃないか?」
この心理が、投資で最も危険な“焦り”を生みます。


■得意な相場だけを狙うという戦略

たとえば、あなたが「レンジ相場(価格が一定の範囲で上下する)」で利益を出すのが得意だとします。
その場合、トレンド相場で無理にポジションを取る必要はありません。

株でもFXでも、「自分が勝ちやすい相場」でのみ戦えばいいのです。
それが「あなたのストライクゾーン」であり、
“打つべき球(勝てる形)を待て”という意味に繋がります。

逆に、苦手なパターンでエントリーして損失を出すと、心のバランスを崩して次のトレードにも悪影響を与えます。
勝率を上げるための最も簡単な方法は、「自分が得意な場面以外では打席に立たないこと」です。


■プロでも「ヤジ」を受ける

バフェットがこの言葉の後にこう続けています。

“The problem when you’re a money manager is that your fans keep yelling, ‘Swing, you bum!’”
「問題は、資産運用のマネージャーである場合、ファンが“早くスイングしろ!”とヤジを飛ばしてくることだ。」

これは、他人の期待やプレッシャーに流される危険を示しています。
ファンドマネージャーは常に顧客やメディアに「次の投資は?」「なぜ動かないのか?」と問われます。
個人投資家でも似た状況があります。
SNSのタイムラインでは「今がチャンス!」「遅れるな!」という声が溢れています。
しかし、他人の声に従って行動することほど危険なことはありません。


■「待つこと」が最大の武器になる

多くの初心者投資家が陥るのは、「何かしなければ」という焦りです。
ポジションを持っていないと不安になる——。
しかし、本当に優れた投資家ほど「待つ」時間が長いものです。

チャートを何時間も見ていても、エントリーしない日があっていい。
市場が整うまで待つことで、リスクを最小限に抑え、最も確率の高いポイントで勝負できるのです。

投資とは「暇との戦い」であり、待つことができる人こそが報われる。


■実例:FXトレーダーの「待つ」力

たとえば、USD/JPY(ドル円)のレンジ相場が続いている中で、「どちらに抜けるか分からない」とき。
無理にエントリーすると、上にも下にも振られて損失を出しやすい。

しかし、はっきりしたブレイク(上抜け or 下抜け)が確認できた時点でエントリーすれば、
成功確率は一気に高まります。

つまり、「波が立たない海では泳がない」という選択が、結果的に利益を守る行動になるのです。


■まとめ:投資は“全打席フルスイング”の競技ではない

投資で成功する人は、行動量よりも「選択の質」にこだわります。
すべての球を打とうとすれば、焦って凡打を重ねます。
見逃しを恐れず、自分の形を待つこと。
それが、長期的に資産を増やすための最も確実な方法です。

「ウォールストリートに見逃し三振はない」
——この言葉は、投資で焦る心を落ち着かせてくれる、最高の“ブレーキ”です。

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