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「市場が5年間閉鎖されても後悔しない株を買う」─バフェット流・長期投資の本質

yoshihiro734537

“私は素早く利益を上げるために投資しません。
市場が明日閉鎖され、5年間閉じたままであるかもしれないという心構えで株式を買います。”
― ウォーレン・バフェット

この言葉には、投資の真髄が凝縮されています。
短期的な値動きに振り回される人が多い中で、バフェットは「5年間売れなくても持ち続けたい企業にだけ投資する」という姿勢を貫いてきました。


■ 長期投資の考え方がなぜ勝つのか

株価は日々上がったり下がったりしますが、企業価値はそんな短期間では変わりません。
市場はしばしば感情的に動くため、好材料でも株価が下がったり、悪材料でも上がることがあります。

しかし、企業の本当の価値は業績の積み重ねでしか評価されません。
それを見抜ける投資家こそが、最終的に報われます。

バフェットが言う「5年間市場が閉鎖されても」という言葉は、つまりこういう意味です。

「株価ではなく、企業そのものを買う気持ちでいなさい。」


■ 具体例:日常生活に置き換えて考える

想像してみてください。
あなたが大好きなレストランがあり、その味とサービスに心から惚れ込んでいるとします。
そこが一時的に混雑したり空いていたりしても、「もう行かない」とは思わないはずです。

なぜなら、“本質的な価値”を信じているからです。

株式も同じです。
短期の値動きは天気のようなもの。
晴れの日もあれば、嵐もある。
でも「料理(事業)」が素晴らしければ、いずれまたお客(投資家)は戻ってくるのです。


■ 例:アップル株に学ぶ「長期の報酬」

アップル(AAPL)は、バフェットが巨額投資をした代表的な銘柄です。
2016年にバークシャー・ハサウェイが購入を始めた時、多くの投資家は「スマホ市場は飽和だ」と批判しました。
ところが、その後アップルはサービス事業を拡大し、今では世界最大級の時価総額企業となっています。

もし2016年当時にアップル株を買って5年間何もせずに持っていたら、
株価は約2.5倍、配当も増え、トータルリターンは驚くほど大きなものになっていました。

バフェットの「5年閉鎖の覚悟」は、短期的な騒音に耳を貸さない力を与えてくれるのです。


■ 「5年後も存在してほしい企業」を選ぶ視点

この考え方は、私たち個人投資家にも応用できます。
次のように自問してみると、投資先が見えてきます。

  • この企業のサービスや商品は、5年後も必要とされているだろうか?
  • 社長や経営陣は信頼できるか?
  • 財務体質は安定しているか?
  • 景気に左右されず、地味でも着実に利益を上げているか?

これらに「はい」と答えられる企業こそが、長期投資にふさわしい会社です。


■ バフェットのもう一つの鉄則:「退屈を愛せ」

投資の世界では、「退屈な投資こそ成功の近道」とよく言われます。
毎日チャートを眺め、売買を繰り返すよりも、
本当に良い企業を選んで静かに持ち続ける方が結果的にリターンは大きくなります。

たとえば、生活必需品メーカーのように派手さはないけれど、
人々が日常的に使う商品を作っている企業。
こうした会社は、景気の波があっても安定して利益を出し続けます。

バフェットが言う「素早く利益を上げようとしない」というのは、
裏を返せば「焦らなければ資産は自然に増える」ということでもあります。


■ 短期トレーダーと長期投資家の違い

比較項目短期トレード長期投資
目的値動きの差益を狙う企業成長による価値上昇を狙う
判断材料チャート・テクニカル指標業績・ビジネスモデル・経営
必要スキル迅速な判断と反応我慢と信念
感情の波大きい小さい
成功率一部の上級者のみ多くの人にチャンスあり

「5年間閉鎖されても後悔しない銘柄」を持てる人は、
短期的な上下に振り回されず、精神的にも安定して投資を続けられます。


■ まとめ:株を「買う」のではなく「持つ」覚悟を

ウォーレン・バフェットのこの言葉は、
「投資=ビジネスオーナーとしての視点を持ちなさい」という教えでもあります。

市場がどんなに揺れても、
信頼できる企業の価値は時間とともに積み上がります。
そして、最も重要なのは“忍耐”。

今日買った株を5年間手放さずに持てるかどうか。
その覚悟が、5年後の資産を決める。

短期の利益ではなく、
「将来の安定」と「信頼できる企業」を見つめることこそ、
長期投資家の最強の武器なのです。

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