【FXの名言】利食い千人力、見切り千両
~利益を守り、損失を小さくする“生き残りの鉄則”~
江戸時代の天才相場師・本間宗久(ほんま そうきゅう)が残した名言に、
「利食い千人力、見切り千両」 という言葉があります。
この言葉は、数百年を経た現代でもなお、相場の本質を見事に突いています。
特にFXトレードの世界では、この格言ほど重みを持つ教えはありません。
利食い千人力 ― 利確は最強の力
「利食い千人力」とは、
利益が出たら欲を抑えて確実に利確することが、千人分の力になるという意味です。
どんなに上手なエントリーをしても、利確しなければそれは“幻の利益”です。
たとえば、ドル円を150円で買って152円になっても、決済をしなければ利益は確定しません。
もし152円から急落して149円になれば、含み益どころか含み損に転落してしまうのです。
実際、FXでは「あともう少し上がるだろう」と欲張って利確のタイミングを逃し、
結果的にプラスがゼロになったり、マイナスに変わるケースが多くあります。
具体例:
ドル円を150円で1ロット買い
↓
152円まで上昇し、+2万円の含み益
↓
「もう少し待てば153円?」と思った瞬間に急落し、
最終的に149円で損切り → −1万円
このように、「欲の1円」が、
利益3万円の差を生むことも珍しくありません。
つまり、利食いは「千人力」――。
一回の確実な利確が、次のトレードの信頼と安定を生み出します。
見切り千両 ― 損切りは高値の買い物
「見切り千両」とは、
小さな損失で撤退できることは、千両(今の価値で5,000万円〜1億円)に匹敵する価値があるという意味です。
FXにおいて、損切りをためらうと大きな損失に発展します。
レートは一瞬で逆方向に動くことがあるため、含み損を放置するほど危険です。
具体例:
ポンド円を190円で買い
↓
188円まで下落
↓
「戻るまで待とう」と放置
↓
暴落で185円 → −5万円の損失
もし188円で損切りしていれば、損失は−2万円で済んでいました。
早い段階で「見切り」をつけることは、一見損に見えても、
長期的には“生き残るための利益”になります。
利益を守り、損を切る勇気が勝者を作る
FXの世界では、「いかに利益を出すか」よりも、
「いかに損を小さくするか」が生き残りの鍵です。
- 利確の勇気がなければ、利益は幻になる
- 損切りの勇気がなければ、口座は守れない
この二つの判断ができるかどうかが、
長期的に勝ち続けるトレーダーと、退場するトレーダーの分かれ道になります。
現代FXにおける応用
「利食い千人力、見切り千両」は、今のFX環境でも十分に通用します。
- トレーリングストップを活用する
→ 利益が伸びたら、ストップを上げて自動的に利確ラインを守る。 - 損切りラインを“エントリー前”に決める
→ 感情ではなくルールで決めることで、見切りが早くなる。 - 欲を制御するメンタル管理
→ “利確の喜び”よりも“守った資金”の価値を意識する。
まとめ
「利食い千人力、見切り千両」
利益は早めに確定し、損は早めに切る。
それが、相場で長く生き残るための唯一の道。
トレードは、「どれだけ勝てるか」ではなく、
「どれだけ負けずに残れるか」で決まります。
利確と損切りの判断こそが、相場を渡り歩く投資家の真の力です。