【FX名言】「年の内、三度より商い場なし」─焦るトレードが損を生む理由
江戸時代の相場師・本間宗久(ほんま そうきゅう)は、米相場で巨万の富を築き、今でも“相場の神様”として語り継がれています。
彼の残した言葉に、次のような格言があります。
年中の内、両三度より外、商い致すところこれ無きものなり。
(一年のうち、実際に仕掛けるべきチャンスは二度か三度しかない)
つまり、「大きな利益を狙える局面は、年に数回しか訪れない」という意味です。
この考え方は、FXでもまったく同じことが言えます。
■ チャンスは“年に3回”で十分
多くのトレーダーは「毎日トレードしなければ」と思い込みがちです。
しかし相場は常にチャンスをくれるわけではありません。むしろ「待つ」時間のほうが長いのです。
FXの世界でも、本当に勝ちやすい局面は限られています。
例えば次のようなタイミングです。
- 米国の雇用統計やFOMCなどの重要イベント直後でトレンドが明確化したとき
- 長期的なサポートラインやレジスタンスラインを明確にブレイクしたとき
- 為替介入などで一時的に価格が過剰に動いた反動を狙えるとき
これらの局面は、1年に何度も訪れるものではありません。
“待てる投資家”だけが、確実な波に乗ることができます。
■ 例:2022年ドル円の大相場
2022年のドル円相場を思い出してみましょう。
1年を通して円安が進行し、1ドル=115円から150円まで一気に上昇しました。
しかし、この上昇局面で「利益を取れた人」は意外と少ない。
多くのトレーダーは、途中の調整で何度もショートを仕掛けては損切りし、
上昇トレンドの“大波”を逃してしまったのです。
一方で、「上昇トレンドが確立した3月以降」に冷静に押し目買いを狙った人は、
1年分の利益をこの1トレンドで得ることができました。
まさに「年の内、三度より商い場なし」です。
相場の本質は、頻繁な取引よりもチャンスを見極める洞察力にあります。
■ トレードの「待ち時間」をどう過ごすか
待つ時間をムダにしないためには、次のような過ごし方が有効です。
- 経済指標や金融政策の動きを勉強する
- 過去チャートで「勝ちやすいパターン」を検証する
- 損失を出したトレードを振り返り、メンタルと手法を見直す
トレードは「仕掛けること」よりも「待つこと」で勝負が決まります。
相場に動きがないときほど、自分を磨くチャンスです。
■ まとめ:チャンスを狙う“寡黙な投資家”であれ
本間宗久の格言「年の内、三度より商い場なし」は、
現代のFXトレーダーにとっても深い意味を持ちます。
- 相場にいつもチャンスがあるとは限らない
- 無理に取引するほど、損失を出す確率が高まる
- 年に数回の“明確な波”を逃さなければ、それで十分
頻繁にポジションを持つことは、安心ではなく「焦り」の表れです。
勝ち続ける投資家ほど、トレード回数は少なく、判断は冷静です。
「待つ勇気」が、最も強い武器になります。