【新NISAは暴落しても売らない?】含み損で怖くなった人へ|2026年最新「積立投資の本当の強さ」を解説
第1章 新NISAで暴落が来たらどうする?含み損になった時に思い出してほしいこと
こんにちは、カメさんです!
新NISAを始めてから、毎日のように証券口座を確認している方はいませんか?
昨日はプラス3万円だったのに、今日はプラス1万円。
さらに数日後に確認すると、ついにマイナス5万円……。
こんな画面を見てしまうと、
「このまま下がり続けたらどうしよう」
「利益があるうちに売った方がいいのでは?」
「そもそもNISAなんて始めなければよかった」
そんな気持ちになってしまうものです。
特に投資を始めたばかりの方にとって、自分が一生懸命働いて貯めた100万円が95万円、90万円と減っていくのを見るのは、想像以上に怖いと思います。
私も20年以上投資をしていますが、資産が大きく減っていくのを見て楽しいと思ったことは一度もありません(笑)。
投資経験が長くなったからといって、暴落が怖くなくなるわけではないのです。
ただ、長く投資を続けていると一つ分かってくることがあります。
それは、
「下落そのものよりも、下落した時に自分が何をするかの方が重要」
ということです。
今回は、新NISAでS&P500やオルカンなどを積み立てている方に向けて、相場が大きく下落した時にどう考えればいいのかを、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。
- 2026年9月、投資家が油断できない相場が続いている
- 暴落は分からない。でも、暴落がいつか来ることは分かっている
- 100万円が70万円になったら、あなたは耐えられますか?
- 暴落で売るより難しいのは「いつ買い戻すか」
- 実は積立投資にとって「値下がり=悪」ではない
- 新NISAは「数年で答えを出す制度」ではない
- 「暴落しても絶対に売らない」は少し違う
- 30%の暴落は「資産が減る」という意味だけではない
- 暴落中は苦しい。でも本当に重要なのは「その後」
- 積立投資は「安い時にたくさん、高い時に少なく」を自動化できる
- ただし「積立なら絶対儲かる」は間違い
- 「暴落したら積立額を2倍」は正しいのか?
- 実は新NISAでは「損切り」に注意したい理由がもう一つある
- 暴落に耐えられないなら、投資額が多すぎる可能性もある
- 生活防衛資金まで新NISAに入れない
- 暴落時に勝負するのではなく、暴落しても続けられる仕組みを作る
- 暴落時に一番やってはいけないのは「怖くなったから全部売る」
- SNSの「暴落予言」に振り回されない
- 暴落したからといって、借金して買い増ししない
- 積立設定を何度も変更しない
- S&P500が暴落したらどう考える?
- オルカンが暴落したらどう考える?
- 「S&P500とオルカン、暴落に強いのはどっち?」に正解はない
- 新NISAには「売ったら枠が全部なくなる」という誤解もある
2026年9月、投資家が油断できない相場が続いている
2026年も株式市場や為替市場はさまざまな材料に振り回されています。
AI関連企業への期待が株式市場を支える一方、インフレ、金利、中東情勢、原油価格など、不安材料も少なくありません。
そして2026年9月16日、アメリカのFRBは政策金利を0.25%引き上げ、FF金利の誘導目標を3.75~4.00%としました。
FRBは経済活動について「堅調なペースで拡大している」とする一方、インフレは依然として高いとの認識を示しています。
つまり、
「景気が悪いからすぐに金利を下げる」
という単純な状況ではありません。
さらに日本でも金融政策が変化しています。
日銀は9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げました。これは31年ぶりの高い水準です。
それでも円は素直に円高へ進まず、9月21日時点では1ドル=156円台で推移するなど、為替市場も非常に不安定な状況が続いています。
こうした環境では、
「そろそろ暴落するのでは?」
「今からNISAを始めるのは遅いのでは?」
と思ってしまう人が出てくるのも当然でしょう。
しかし、ここで一度考えてみてほしいのです。
私たちは、未来の暴落を正確に予想できるでしょうか?
答えは、おそらく「できない」です。
暴落は分からない。でも、暴落がいつか来ることは分かっている
株式市場には面白い特徴があります。
明日株価が上がるか下がるかは誰にも分かりません。
しかし長期間投資を続ければ、大きな下落を何度か経験する可能性は非常に高いのです。
過去にも、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、大きな下落が何度も発生しています。
そのたびに、
「今回は今までとは違う」
「株式市場はもう終わりだ」
「まだまだ下がるから全部売った方がいい」
という話が出てきました。
ところが、長い時間が経過して振り返ってみると、世界経済は危機を乗り越え、株式市場は成長してきました。
もちろん、だからといって次の暴落後も必ず同じ動きになる保証はありません。
投資に「絶対」はありません。
ただし、長期投資をするのであれば、
「暴落が来ないことを前提に投資する」のではなく、「途中で暴落が来ることを前提に投資する」
ことが非常に重要だと私は考えています。
この考え方を持っているだけでも、実際に相場が下落した時の精神的な負担はかなり変わってきます。
100万円が70万円になったら、あなたは耐えられますか?
例えば新NISAで100万円を投資したとしましょう。
数年後、相場が大きく下落して評価額が70万円になりました。
マイナス30万円です。
証券口座を開けば、
評価損益 -300,000円
と表示されています。
これを見ると、
「30万円も損した!」
と思ってしまいますよね。
しかし、ここで非常に大切なのが含み損と確定損の違いです。
評価額が70万円になっていても、売却していなければ30万円の損失が確定したわけではありません。
株価がその後回復すれば、評価額も戻る可能性があります。
反対に、怖くなって70万円で全部売却してしまえば、その時点で30万円の損失が確定します。
ここが、暴落時に多くの初心者が悩むポイントです。
「これ以上損したくないから売る」
という行動は、一見すると自分のお金を守っているように感じます。
しかし、長期投資ではその後にもう一つ難しい問題が待っています。
では、いつ買い直すのでしょうか?
暴落で売るより難しいのは「いつ買い戻すか」
仮に100万円が70万円になったところで怖くなって売ったとしましょう。
その後さらに下落して60万円になれば、
「売っておいてよかった!」
と思います。
問題はここからです。
60万円になった時には、
「まだ下がりそうだから買わない」
となります。
そこから65万円に戻っても、
「これは一時的な反発かもしれない」
70万円まで戻ると、
「もう少し下がったら買おう」
80万円になると、
「今から買ったら高値づかみだ」
そして気付いた時には90万円、100万円……。
結局、買い戻せなくなってしまうことがあります。
これが相場の底を狙う難しさです。
暴落する直前に売り、底値で買い戻す。
これができれば理想的です。
しかし、それを毎回正確にできる人がどれだけいるでしょうか。
だからこそ、S&P500やオルカンなど幅広く分散されたインデックスファンドを新NISAで積み立てるのであれば、私は「相場を当てること」より「相場に居続けること」の方を大切にしています。
実は積立投資にとって「値下がり=悪」ではない
ここからが今回の記事で一番伝えたいところです。
毎月一定額を積み立てている人にとって、株価の下落は必ずしも悪いことばかりではありません。
例えば毎月3万円を積み立てているとします。
投資信託の価格が高い時には、3万円で購入できる口数は少なくなります。
ところが暴落して価格が下がれば、同じ3万円でもより多くの口数を購入できます。
スーパーで例えると分かりやすいでしょう。
いつも1個1,000円の商品が700円になったら、普通は「安く買える」と考えますよね。
ところが投資になると、多くの人は反対の行動をしてしまいます。
1,000円の時には、
「もっと上がりそう!」
と言って買うのに、
700円になると、
「怖いから買いたくない!」
となってしまうのです。
人間の心理としては当然なのですが、長期積立では価格が下がっている期間にたくさんの口数を購入できることが、その後の回復局面で大きな意味を持つことがあります。
これが、毎月一定額を購入するドル・コスト平均法の特徴です。
新NISAは「数年で答えを出す制度」ではない
2024年から始まった新NISAは、長期の資産形成と非常に相性の良い制度です。
そして2026年になった現在も制度の拡充は続いています。
金融庁によると、NISA口座はすでに18歳以上の国民のおよそ4人に1人が保有するまでに普及しました。
さらに2026年度の税制改正では、つみたて投資枠の対象拡充など、より幅広い世代が長期的な資産形成に利用できる方向へ制度が進んでいます。
つまりNISAは、
「今年儲かる銘柄を買う制度」
ではありません。
10年、20年、その先を見据えて資産を作っていくための制度です。
今日買った投資信託が来月5%下落したとしても、20年間積み立てる予定の人にとっては、まだスタート地点にすぎません。
「暴落しても絶対に売らない」は少し違う
ただし、ここは誤解してほしくありません。
私は、
「何があっても絶対に売るな!」
と言いたいわけではありません。
例えば生活費まで投資してしまい、現金が必要になった場合。
自分が許容できる以上のリスクを取ってしまった場合。
あるいは、老後や住宅購入などで実際にそのお金を使う時期が近づいてきた場合。
こうしたケースでは資産配分を見直したり、売却したりすることも必要です。
だから重要なのは、
「株価が下がったから売る」のか、それとも「自分の人生設計が変わったから売る」のか。
この二つを区別することだと思います。
長期投資を始める前に生活防衛資金を現金で確保し、当面使わない余裕資金で投資する。
これができていれば、暴落が来ても慌てて売る必要性はかなり小さくなります。
投資で一番怖いのは、暴落そのものではありません。
暴落した時に怖くなり、自分で決めた長期投資のルールを壊してしまうことです。
では、実際にS&P500やオルカンが20%、30%と下落した場合、積立投資を続けるとどうなるのでしょうか。
そして「暴落時に買い増しする」のは本当に正しいのでしょうか。
第2章では、暴落時の積立投資がなぜ強いのかを、具体的な金額を使って分かりやすく検証していきます。
第2章 30%暴落したらどうする?積立を続けた人・やめた人で大きな差が生まれる理由
第1章では、新NISAで含み損になった時に、慌てて売却してしまうことの難しさについてお話ししました。
では実際に、S&P500やオルカンなどを積み立てている途中で大きな暴落が起きたらどうなるのでしょうか。
ここでは、できるだけ分かりやすいように、2人の投資家を例に考えてみましょう。
AさんとBさんは、どちらも新NISAで毎月3万円ずつ同じ投資信託を積み立てているとします。
ところが、ある日突然世界的な株安が発生。
保有している投資信託の価格も大きく下落し、最終的には30%ほど値下がりしてしまいました。
Aさんは不安になりながらも、
「もともと20年間積み立てる予定だったんだから、とりあえず毎月3万円を続けよう」
と考え、そのまま積立を継続しました。
一方のBさんは、
「これ以上損をしたくない。もっと下がったら大変だ」
と考え、積立を停止しました。
さて、その後相場が回復した場合、どちらが有利になるでしょうか。
ここに、積立投資の面白いところがあります。
30%の暴落は「資産が減る」という意味だけではない
まず、投資信託の基準価額を単純化して考えてみましょう。
1口100円だったものが、暴落によって70円まで下がったとします。
毎月3万円を積み立てている場合、100円の時なら300口購入できます。
ところが70円まで下がれば、同じ3万円でも約429口購入できます。
つまりAさんは、相場が下落している間も積立を続けることで、それまでより多くの口数を購入できるわけです。
一方のBさんは、怖くなって積立を止めてしまいました。
当然ですが、価格が安くなった期間には1口も購入できません。
そして半年後。
市場が少しずつ落ち着き、70円だった価格が80円、90円、そして100円へ戻ったとしましょう。
Aさんが暴落時に70円で購入した約429口は、100円まで戻れば約4万2,900円になります。
3万円で購入したものが、価格が元に戻っただけで約4万2,900円になる計算です。
もちろん、実際の相場はこのように一直線には動きません。
70円から50円へさらに下がる可能性もありますし、何年も元の価格に戻らない可能性もあります。
それでも積立投資には、
「価格が下がるほど同じ金額で多く購入できる」
という非常に重要な特徴があります。
だからこそ、積立を続けている人にとっては「値下がり=100%悪いこと」とは言えないのです。
暴落中は苦しい。でも本当に重要なのは「その後」
ここで少し想像してみてください。
毎月3万円を積み立てているのに、
100万円だった資産が90万円になり、
さらに80万円になり、
ついには70万円になってしまった。
しかもニュースを見ると、
「世界同時株安」
「景気後退への懸念」
「株価はさらに下落する可能性」
そんな言葉ばかりが並んでいます。
これで平然としていられる人は、なかなかいないと思います。
私だって嫌です(笑)。
しかし長期積立をしている人の場合、本当に重要なのは「暴落した瞬間の評価額」だけではありません。
安い価格で何口購入できたのか。そして、その後市場が回復した時にどうなるのか。
ここまでセットで考える必要があります。
例えば積立開始直後に大きな下落が起きたとしても、その後10年、20年と投資を続けるのであれば、下落期間中に安い価格で積み立てられたことが、将来の資産形成にプラスに働く場合があります。
逆に、株価がずっと高いまま右肩上がりなら、資産評価額は増えて気分はいいのですが、毎月新しく購入する投資信託はどんどん高くなっていきます。
ここが、一括投資と積立投資の感覚が少し違うところです。
積立投資は「安い時にたくさん、高い時に少なく」を自動化できる
これが、よく聞くドル・コスト平均法です。
名前だけ聞くと難しそうですが、仕組みは非常に簡単です。
毎月3万円など、一定額を定期的に購入するだけ。
価格が高ければ購入できる量は少なくなり、価格が安ければ購入できる量は多くなります。
つまり、
「今は安いのかな?」
「もう底値かな?」
「来週まで待った方がいいかな?」
と毎回考える必要がありません。
機械的に買い続けることで、自分の感情を投資判断からある程度切り離すことができます。
私は、この「感情を入れなくて済む」という点こそ、積立投資の大きなメリットだと思っています。
投資を20年以上続けていると分かりますが、人間の感情と投資は本当に相性が悪いです。
上がると欲しくなり、下がると売りたくなる。
本来なら安くなった時ほど買いやすいはずなのに、実際には一番怖い時ほど買えなくなります。
だから毎月自動的に購入する仕組みを作ってしまう。
これは初心者だけでなく、投資経験が長い人にも有効な方法だと思います。
ただし「積立なら絶対儲かる」は間違い
ここは非常に重要なので、きちんと書いておきたいと思います。
ドル・コスト平均法は魔法ではありません。
積立を続ければ必ず利益が出るわけでもありませんし、暴落から資産を守ってくれるわけでもありません。
投資している資産そのものが長期間下落し続ければ、当然ながら損失が続く可能性があります。
だからこそ私は、長期積立をする商品については「何を買うか」が非常に重要だと考えています。
一つの会社だけに集中投資する。
一つの国だけに極端に偏る。
流行しているテーマ型ファンドだけを大量に買う。
こうした投資では、その会社や産業が衰退した場合、「待っていればいつか戻る」とは限りません。
一方、オルカンのように世界中の株式へ幅広く分散する商品や、S&P500のように多数の大企業へ分散するインデックスファンドであれば、一企業に集中するよりリスクを分散できます。
それでも元本保証ではありません。
だから、
長期・積立・分散。
この3つをセットで考えることが大切なのです。
「暴落したら積立額を2倍」は正しいのか?
ここで、投資に慣れてくると考えたくなることがあります。
「暴落した時こそチャンスなら、毎月3万円を6万円に増やせばもっと儲かるのでは?」
確かに、その後相場が回復すれば大きな利益につながる可能性があります。
しかし私は、初心者の方には無理な買い増しをおすすめしません。
なぜなら、どこが底なのか分からないからです。
株価が20%下落して、
「大チャンス!」
と思って大量に買った翌月に、さらに20%下落するかもしれません。
そこで追加投資し過ぎて現金がなくなれば、本当に必要な時に生活費を取り崩すことになってしまいます。
それでは長期投資どころではありません。
投資は、生活を豊かにするために行うものです。
投資のせいで生活が苦しくなっては本末転倒です。
暴落しても毎月3万円なら問題なく続けられるのであれば、その3万円を淡々と積み立てる。
余裕資金が十分あり、あらかじめ「20%下落したら○万円追加する」と決めているのであれば、そのルールに従う。
大切なのは、暴落してから興奮して判断するのではなく、平常時にルールを決めておくことだと思います。
実は新NISAでは「損切り」に注意したい理由がもう一つある
そして新NISAには、通常の課税口座とは違う注意点があります。
NISAで保有している商品を損失が出た状態で売却しても、その損失を特定口座などで得た利益と損益通算することはできません。
損失の繰越控除もできません。
例えば特定口座の株で50万円利益が出て、新NISAで30万円損失を確定したとしても、
「差し引き20万円の利益だから、その分だけ税金を払えばいい」
とはならないのです。
NISAの30万円の損失は税務上、他口座の利益を減らすためには利用できません。
NISAは利益が非課税になる非常に有利な制度ですが、その反面、損失を税金計算に利用できないという特徴があります。
この点からも、
「ちょっと下がったから損切り」
という短期売買より、長期で育てる資産を保有する使い方の方が、NISAの制度とは相性が良いと私は考えています。
暴落に耐えられないなら、投資額が多すぎる可能性もある
ここまで読んで、
「理屈は分かる。でも30%下落したら絶対に耐えられない」
と思った方もいるでしょう。
それは決しておかしなことではありません。
むしろ、その感覚は非常に大切です。
例えば500万円を株式へ投資していれば、30%下落すると評価額は約150万円減ります。
毎日働いて貯めた150万円が、画面上とはいえ消えてしまう。
それを見て普通に生活できるかどうかは、人によってまったく違います。
もし耐えられないと思うのであれば、問題は「自分は投資に向いていない」ことではなく、株式へ投資している金額が自分のリスク許容度を超えている可能性があります。
100万円なら耐えられる。
300万円では怖い。
500万円なら夜眠れなくなる。
それなら、自分が眠れる金額まで投資額を下げればいいのです。
投資では最大利益を狙うことより、途中で退場しないことの方が大切だと私は思っています。
生活防衛資金まで新NISAに入れない
そして、暴落時に積立を続けるために欠かせないものがあります。
それが現金です。
病気になるかもしれません。
突然家電が壊れるかもしれません。
仕事を辞めることになるかもしれません。
人生には予想外の出費があります。
そんな時に手元の現金がなければ、株価が30%下落している最悪のタイミングで投資信託を売らなければならなくなる可能性があります。
だから私は、
「当面使う予定のないお金を投資する」
という基本がとても大切だと思っています。
投資額を最大化することが正解ではありません。
現金を残しておくことも立派な資産運用です。
暴落時にも生活費を心配せず、
「積立設定はそのままでいいか」
と思える状態を作っておく。
これこそ、長期投資を続けるための土台になります。
暴落時に勝負するのではなく、暴落しても続けられる仕組みを作る
投資というと、
「いつ買えば儲かる?」
「次の暴落はいつ?」
「今は高値なの?」
といったことばかり考えてしまいます。
しかし長期積立では、それ以上に大切なことがあります。
相場がどうなっても続けられる仕組みを作ることです。
毎月無理のない金額を自動積立する。
幅広く分散された商品を選ぶ。
生活防衛資金を確保する。
そして、暴落しても慌てて積立設定を解除しない。
こうした地味なことを10年、20年と続ける。
投資の世界では、どうしても「一発で大きく儲けた人」が注目されます。
でも私が20年以上投資を続けて感じるのは、資産形成で本当に強いのは、一発当てた人ではなく、市場から退場せずに長く続けられた人なのではないか、ということです。
暴落は怖いです。
含み損も嫌です。
それでも積立投資家にとって暴落は、単なる「資産が減る期間」ではありません。
将来のための資産を、それまでより安い価格で少しずつ仕込める期間でもあります。
焦らず、欲張らず、淡々と。
カメさんのように、ゆっくり進んでいけばいいのです。
では実際、新NISAで暴落が起きた時に**「やっていいこと」と「やってはいけないこと」は何なのでしょうか。
そしてS&P500とオルカンを積み立てている人は、暴落時にそれぞれどう考えればいいのでしょうか。
第3章 新NISAで暴落した時にやってはいけないこと|20年続けるための「カメさん式」投資ルール
第1章では「暴落した時に慌てて売ることの難しさ」、第2章では「価格が下がっている時にも積立を続ける意味」についてお話ししました。
最後となる第3章では、もう少し実践的な話をしたいと思います。
もし明日、株式市場が大きく下落したらどうするのか。
S&P500が20%下がったら?
オルカンが30%下がったら?
自分のNISA口座が100万円、200万円と含み損になったら?
投資を始める時には、
「長期投資だから大丈夫!」
と思っていても、実際に大きな含み損を抱えると気持ちは変わります。
だからこそ、相場が平穏な時に「暴落したらどうするか」を決めておくことが大切です。
私自身、20年以上投資を続けてきましたが、投資では「何を買うか」と同じくらい、大きく下がった時にどう行動するかが重要だと感じています。
ここでは、新NISAを10年、20年と続けるために、私が大切だと思っていることをまとめます。
暴落時に一番やってはいけないのは「怖くなったから全部売る」
まず避けたいのが、ニュースやSNSを見て怖くなり、保有している投資信託を一気に全部売ってしまうことです。
もちろん、売却そのものが悪いわけではありません。
生活費が必要になった。
住宅購入などでまとまった資金が必要になった。
投資方針そのものを変更した。
こうした理由があるなら、売却することは普通にあります。
問題なのは、
「下がって怖いから売る」
という感情だけで判断してしまうことです。
例えば100万円が70万円まで下がって怖くなり、全部売ったとしましょう。
その後50万円まで下がれば、「売って正解だった」と思います。
しかし、そこから市場が急反発して60万円、70万円、80万円と戻ってきたらどうでしょう。
今度は、
「また下がるかもしれない」
と思って買えません。
そして100万円まで戻った時には、
「もう高くなってしまったから買えない」
となります。
結果として、
安いところで売って、高くなってから買い戻す。
投資では最も避けたい行動になってしまう可能性があります。
だから私は、暴落が起きた時ほど「今日売らなければならない理由が本当にあるのか?」と、一度考えるようにしています。
SNSの「暴落予言」に振り回されない
今の時代、投資で最も注意したいものの一つがSNSだと思っています。
相場が少し下がるだけで、
「歴史的大暴落が始まる」
「S&P500はここから半値になる」
「今すぐ現金化した方がいい」
といった投稿が一気に増えます。
そして本当に株価が下落すると、
「ほら、私が言った通り!」
という投稿が拡散されます。
しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。
その人が過去に外した予想はどれくらいあったのかです。
毎年「暴落する」と言い続けていれば、いつかは当たります。
しかし私たちが必要としているのは、暴落を一度当てることではありません。
暴落前に売って、底値を当てて買い戻し、その後の上昇局面でも保有し続ける。
これを何十年も繰り返さなければ、市場のタイミングだけで資産を増やし続けることはできません。
それは簡単なことではありません。
だからこそ私は、S&P500やオルカンなどを長期積立するのであれば、SNSの予言よりも自分が最初に決めた投資計画を大切にした方がいいと思っています。
暴落したからといって、借金して買い増ししない
もう一つ注意したいのが、暴落を「絶好のチャンス」と考え過ぎることです。
第2章でもお話しした通り、長期積立では価格が下がれば同じ金額で多くの口数を購入できます。
だから、
「30%も下がった!これはチャンスだ!」
と思う気持ちは分かります。
しかし、ここで信用取引やカードローンなどを利用して投資するのは、私はおすすめしません。
20%下落したところで買ったら、さらに20%下がるかもしれません。
そこから何年も低迷する可能性だってあります。
現物投資なら時間をかけて回復を待つこともできますが、借金には金利や返済期限があります。
「安くなったから買いたい」
という気持ちと、
「無理をしてでも買わなければ」
という気持ちは、まったく別物です。
投資は余裕資金で行う。
この基本は、暴落しても変えない方がいいと思います。
積立設定を何度も変更しない
株価が上がったから毎月5万円。
少し下がったから3万円。
さらに暴落したから積立停止。
上昇してきたので、また5万円。
このように相場に合わせて積立額を何度も変更すると、結局は自分で市場のタイミングを予想していることになります。
私が積立投資の大きなメリットだと思っているのは、
「考えなくても投資できること」
です。
給料日に3万円。
あるいは毎月1日に5万円。
自分の生活に無理のない金額を決め、自動積立にしてしまう。
株価が上がっても買う。
下がっても買う。
ニュースで暴落と言われても買う。
これを機械的に繰り返すことで、感情による売買を減らせます。
投資では「何もしない」という行動が、意外と難しいのです。
S&P500が暴落したらどう考える?
ここからは、人気の投資信託について考えてみましょう。
まずS&P500です。
S&P500はアメリカを代表する大型企業を中心に構成される株価指数です。
新NISAでも非常に人気があります。
ただし当然、暴落することはあります。
アメリカの景気後退、金融危機、企業業績の悪化、金利上昇、地政学リスクなどが重なれば、大きく下落する可能性があります。
さらに日本からS&P500連動型投資信託へ投資している場合には、株価だけではなく為替の影響も受けます。
米国株があまり下がっていなくても、急激な円高になれば円換算した基準価額が下落する場合があります。
だから、
「S&P500なら安全」
という考え方は少し違います。
株式である以上、大きく下落する可能性を受け入れたうえで投資する必要があります。
それでも、
「米国経済の長期的な成長を期待して20年間積み立てる」
という投資方針そのものが変わっていないのであれば、一時的な株価下落だけを理由に投資計画を変更する必要があるのかは、慎重に考えたいところです。
オルカンが暴落したらどう考える?
次に、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、いわゆる「オルカン」です。
オルカンは世界中の株式へ幅広く投資できるのが大きな魅力です。
ただし、
「世界分散=暴落しない」
という意味ではありません。
世界的な金融危機が発生すれば、アメリカ株も日本株も欧州株も同時に下落することがあります。
その場合、オルカンも当然下落します。
しかし一つの国や企業に集中しているわけではないため、長期的には成長する国や企業の変化を取り込みながら投資を続けられるのが全世界株式の特徴です。
今はアメリカ企業の比率が大きくても、将来別の国の企業が成長して時価総額が大きくなれば、その変化も指数へ反映されていきます。
つまりオルカンを選ぶ考え方は、
「次にどの国が伸びるかを自分で当てる」
というより、
「どの国が成長するか分からないから、世界全体を持っておこう」
という考え方に近いのです。
その考えに納得して購入したのであれば、世界同時株安が起きたからといって突然投資方針を変える必要があるのか、一度冷静に考える価値があります。
「S&P500とオルカン、暴落に強いのはどっち?」に正解はない
よく、
「S&P500とオルカンならどちらが安全ですか?」
という話があります。
しかし私は、単純にどちらが上、どちらが下という話ではないと思っています。
S&P500はアメリカへ集中する分、米国企業の成長の恩恵を受けやすい一方、アメリカへの依存度も高くなります。
オルカンは世界中へ投資するため地域分散は広がりますが、世界的な株安になれば一緒に下落します。
そしてどちらも株式中心の商品なので、元本保証ではありません。
結局大切なのは、
「自分は何に投資しているのか理解したうえで持っているか」
だと思います。
SNSでオルカンが人気だから買った。
ランキング1位だからS&P500を買った。
それだけでは、暴落した時に持ち続ける理由が分からなくなります。
自分なりに納得して選んでおくことが、暴落への一番の備えになるのかもしれません。
カメさん式「新NISAを20年続けるためのルール」
ここまでの内容を踏まえて、私なら新NISAの長期積立では、とてもシンプルに考えます。
まず、生活費や近い将来使うお金は投資しません。
病気、失業、家電の故障、引っ越しなど、突然まとまったお金が必要になることはあります。
そのための現金はきちんと残します。
そのうえで、10年、20年と使う予定のない余裕資金を投資へ回します。
投資先は、自分が仕組みを理解できる低コストで幅広く分散された商品を中心にする。
毎月無理なく続けられる金額を自動積立する。
相場が上がっても下がっても、基本的には積立を続ける。
暴落したからといって慌てて売らない。
逆に、暴落したからといって生活資金まで投入しない。
そして年に1回程度、
「投資目的は変わっていないか」
「投資額が大きくなり過ぎていないか」
「この金額が30%下落しても生活に支障がないか」
を確認する。
私は、このくらいシンプルでいいと思っています。
新NISAには「売ったら枠が全部なくなる」という誤解もある
ここも2026年現在の新NISAで覚えておきたいところです。
新NISAでは商品を売却すると、その商品の取得金額(簿価)分の非課税保有限度額が翌年以降に復活します。
例えば100万円で購入した投資信託が150万円になり、それを売却した場合、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は150万円ではなく、取得額である100万円分です。
反対に100万円で購入したものが70万円まで下落して売却した場合でも、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は取得額の100万円分です。
ただし、その年の年間投資枠がその場で復活するわけではありません。
つまり、
「NISAだから一生売ってはいけない」
という制度ではありません。
必要になった時には売却できます。
だからこそ、株価が下がったという理由だけで売買を繰り返すのではなく、人生でお金が必要になった時に使うための制度として考える方が、新NISAとは付き合いやすいと思います。
まとめ 暴落は「失敗」ではない。長期投資なら最初から予定に入れておこう
ここまで3章にわたって、新NISAと暴落について考えてきました。
私がこの記事で一番伝えたかったのは、
「暴落しても絶対売るな」
ということではありません。
そうではなく、
「暴落した時に初めて投資方針を考えるのでは遅い」
ということです。
投資を始める時から、
20%くらい下がることはある。
30%下がることだってある。
場合によっては、それ以上の下落もあり得る。
それでも生活できる金額だけを投資する。
この覚悟をしておけば、実際に暴落が起きた時の行動は大きく変わると思います。
私自身、20年以上投資を続けていますが、投資を始めた頃より強く感じることがあります。
資産形成で大切なのは、
「一番儲かる商品を見つけること」だけではありません。
むしろ、
「自分が途中でやめずに続けられる方法を見つけること」
の方が大切なのではないでしょうか。
月1万円でもいい。
月3万円でもいい。
周りと比べる必要もありません。
SNSで「資産1億円達成!」という投稿を見ても焦る必要はありません。
自分の収入と生活に合わせて、無理のない金額を積み立てていく。
暴落しても慌てない。
上昇しても欲張り過ぎない。
そして時間を味方につける。
派手さはありません。
でも私は、こういう投資こそ普通の会社員が資産を作っていくうえで、とても強い方法だと思っています。
焦らず、欲張らず、ゆっくりと。
カメさんのようなスピードでも、止まらず前へ進んでいけばいい。
新NISAは短期間でお金持ちになるための制度ではなく、10年、20年先の自分を少し楽にするための制度だと私は考えています。
次に暴落が来た時、
「どうしよう!売った方がいいのかな?」
ではなく、
「ああ、長期投資をしていればこういう時もあるよね」
と思える準備を、相場が落ち着いている今のうちにしておきましょう。
私もこれから、上がったり下がったりする相場と付き合いながら、無理をせず資産形成を続けていきます。
皆さんも一緒に、ゆっくり資産を育てていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
カメさんでした。