日本が産油国になれるか?!バイオ燃料構想と株主目線の戦略
📊現状チェック:株価・会社概要・事業の“リアルな”立ち位置
- 株価:現時点では 457円(東証)。
- 業績:最近の決算では、営業利益が前年同期比で拡大しているとの報もあり。
- 事業内容:健康食品・化粧品・バイオ燃料など複数領域を展開。特に最近は バイオ燃料(バイオジェット/バイオディーゼル) に力を入れており、実証プラントも運転中。
- 最近の展開:ユーグレナが「サステオ(次世代バイオディーゼル)」を軽油と混合した商品供給に向け、石油販売会社と基本合意を結んだニュースも。
これらは基礎情報ですが、「バイオ燃料先進国宣言(GREEN OIL JAPAN)」など、企業が掲げているビジョンの重さも見逃せません。
🔍「日本が産油国になれるか?」戦略論と現実感
ユーグレナは「日本のミドリムシ=バイオ燃料製造」の旗手を自称しており、改革的な志を持っています。与えられた技術と市場可能性をどう現実化するかがカギ。
メリット・可能性
- 資源枯渇への代替策
化石燃料に代わる選択肢として、藻類・微細藻を燃料原料にするポテンシャルは高い。特に日本は資源国ではないので、輸入依存を減らす戦略として注目される。
- 制度支援・補助金期待
政府の脱炭素政策、再エネ政策と親和性が高く、補助金・規制緩和が後押しになる可能性。
- 技術の積み重ねと実証実験
すでに実証プラントを稼働させており、実用化に向けて経験値を積んでいる。
また、混合燃料(軽油+バイオ燃料51%混合など)という実用寄りアプローチも最近発表。
リスク・課題・“現実の壁”
- スケール化コスト
実証レベルと商業レベルではコスト構造が大きく異なる。プラント建設、原料調達、品質管理、輸送コストなどで利益率が圧迫される可能性。
- 競争・参入障壁
他のバイオ燃料企業、代替エネルギー(電気・水素)との競争激化。技術革新速度が命。
また、化石燃料メーカーや石油メジャーとの覇権争いもある。
- 実用化までの時間と資金負担
燃料認証、法規制対応、インフラ整備、顧客獲得(航空会社・運送企業との契約)など、時間・資金を大量に消費。
- 株式指標の割安感・収益性の未確定性
現在、PERは確定していない(赤字・黒字不安定)という見方も。
配当は現状ゼロ、利益還元より再投資重視の企業戦略。
- “産油国宣言”の批判・現実とのギャップ
過去に「日本を産油国にする」との宣言が「夢物語すぎる」と批判された過去も。
技術的課題・採算性の壁を克服できなければ、期待先行の株に終わる可能性も。
📈どのくらい上がる可能性があるか?予想レンジ
予想というのはあくまで仮説ですが、いくつかシナリオを描いてみます。
シナリオ名 | 条件 | 想定株価レンジ* | コメント |
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楽観シナリオ | バイオ燃料部門が成長、契約多数、技術確立 | 800〜1,200円 | 約2〜3倍以上の成長あり得る |
現実フォロー型 | 緩やかな成長、収益化は時間がかかる | 500〜700円 | 今の株価から1.1〜1.5倍前後 |
慎重型 | 技術障害・競争激化で伸び悩む | 300〜500円 | 下方リスクも十分にあるレンジ |
*あくまで仮定。事業成績・外部環境で大きく変動。
もし5〜10年保有できるなら、将来的には2倍~3倍成長のチャンスもと見ています。ただし、すべてをかけるのはリスクが高すぎるので、ポートフォリオの一部で持つのが吉です。
🧠投資を考えるあなたに、カメさん流チェックリスト
- 開示を読む:バイオ燃料部門の売上比率・利益率・契約先一覧
- 提携先・パートナー企業を確認:航空会社、運送会社、石油会社との協業は信号
- 技術認証状況:ASTM認証、混合割合許可など
- 資金調達力:増資履歴・借入金額・資本金構成
- 競合・代替技術比較:電気車・水素・他バイオ技術との優位性
📈予想シナリオ:3年後・5年後
以下、3つのシナリオ別に見てみます。
シナリオ | 年率成長仮定 | 3年後の予想株価 | 5年後の予想株価 | コメント |
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保守型 | +8%/年 | 457 × (1.08)^3 ≒ ≈ 567円 | 457 × (1.08)^5 ≒ ≈ 671円 | 成功確度が高い範囲。バイオ燃料化が遅れた場合このレンジに収まりやすい。 |
中リスク | +20%/年 | 457 × (1.20)^3 ≒ ≈ 1,109円 | 457 × (1.20)^5 ≒ ≈ 2,201円 | ヘルスケア部門の利益拡大+バイオ燃料の実用化が追い風になるなら、このくらいの成長は見えてくる可能性あり。 |
高リスク・高リターン | +40%/年 | 457 × (1.40)^3 ≒ ≈ 2,190円 | 457 × (1.40)^5 ≒ ≈ 10,503円 | 非常に楽観的なシナリオ。多くの条件がうまく揃わないと実現は難しいが、ポテンシャルとしては夢を見ることはできるレンジ。 |
※計算上は単利ではなく複利計算方式で出しています。
🏗ポートフォリオ例:100万円分を買って持っていたらどうなるか?
たとえば、100万円を現価格(457円)で買ったとすると:
- 100万円 ÷ 457円 ≒ 2,188株
- 手数料などを無視した単純計算とします。
それを上記シナリオの株価にしたら:
- 保守型:3年後→2,188 × 567円 = 約124万円、5年後→2,188 × 671円 = 約147万円
- 中リスク:3年後→2,188 × 1,109円 = 約242万円、5年後→2,188 × 2,201円 = 約482万円
- 高リスク:3年後→2,188 × 2,190円 = 約480万円、5年後→2,188 × 10,503円 = 約2,298万円 産油国になったら可能性はあるのかな
もちろん、これらは株価のみの計算で、配当・税金・流動性・事業リスクを無視してます。