【2026年最新】新NISAはオルカンだけで大丈夫?金・高配当株を組み合わせる失敗しない資産防衛術
第1章 新NISAはオルカンだけで大丈夫?2026年に考えたい「増やす投資」と「守る投資」
こんにちは、カメさんです!
2024年に新NISAが始まってから、投資信託を購入する人が本当に増えましたね。
以前は「株式投資なんて難しそう」「投資はお金持ちがするもの」というイメージを持っていた人も多かったと思います。
しかし、最近では毎月1万円、3万円、5万円といった金額をコツコツ積み立てる人も珍しくなくなりました。
特に人気なのが、通称「オルカン」と呼ばれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
SNSやYouTubeでも「初心者はオルカンだけ買っておけばいい」「余計なことを考えずに20年間積み立てれば大丈夫」といった意見をよく見かけます。
確かに、私もオルカンは非常に優れた投資信託だと思っています。
世界中の株式に分散投資でき、運用コストも低く、長期の資産形成に向いているからです。
ただ、20年以上投資を続けてきた私としては、一つ気になることがあります。
それは、**「オルカンを持っていれば、どんな暴落が来ても安心なのか?」**という問題です。
結論から言えば、決してそうではありません。
オルカンは世界中に分散投資できる優れた商品ですが、投資対象の中心はあくまでも株式です。
世界同時株安が起これば、オルカンも大きく値下がりする可能性があります。
また、円高になれば、海外株式の価格が上昇していても、日本円で見た評価額が下がることがあります。
そこで今回、私が注目したいのが「金(ゴールド)」と「高配当株」です。
オルカンで世界経済の成長を取り込みながら、金で株式とは異なる値動きを取り入れ、高配当株で定期的な現金収入を目指す。
もちろん、この組み合わせが必ずオルカン単独より高い利益を生むわけではありません。
しかし、資産を増やすことだけではなく、将来使うことまで考えた場合、検討する価値のある投資方法だと思っています。
今回は、2026年10月現在の投資環境も踏まえながら、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
- なぜオルカンはこれほど人気なのか?
- ただし「全世界に分散=安全」ではない
- 2026年の投資環境で考えたいこと
- 金(ゴールド)はなぜ資産防衛に使われるのか?
- 高配当株は「資産を増やす」だけでなく「収入を得る」投資
- 新NISAはオルカンだけに使う必要はない
- 私が考える理想は「増やす・守る・受け取る」の3つ
- 第1章のまとめ|オルカンは優秀。でも資産防衛は別に考えたい
- 金投資が注目される理由。なぜ世界中の投資家がゴールドを買うのか?
- 金の現物・投資信託・ETFは何が違う?
- 2026年に注目したい金ETF
- 金投資では「為替ヘッジあり・なし」に注意したい
- 高配当株の魅力は「定期的にお金が入ってくること」
- 初心者におすすめしたいのは個別株より高配当ETF
- 配当利回り5%より3%の企業が優れていることもある
- 新NISAで高配当株を買うメリットは税金にある
- オルカン・金・高配当株は、それぞれ役割が違う
- 私なら金や高配当株を一度に大量購入しない
- 第2章のまとめ|高い利回りより、長く持ち続けられる商品を選ぼう
- まずは投資する前に「現金をいくら残すか」を決めよう
- 資産500万円の場合|まずはオルカンを中心に資産形成
- 資産1,000万円の場合|金と高配当株の割合を少し増やす
- 資産3,000万円の場合|セミリタイアを意識した守りの資産配分
- 3つの資産配分を比較してみよう
- 株式市場が30%暴落したら、資産はどうなる?
- 暴落したときこそ、資産配分の効果が分かる
- 新NISAの1,800万円をどう使うか
- 50代からのセミリタイアでは「配当金だけで生活」を目指さなくてもいい
- オルカンだけでも間違いではない。大切なのは自分に合った投資方法
- 最終章のまとめ|資産を増やすだけでなく、守りながら使う時代へ
なぜオルカンはこれほど人気なのか?
まずはオルカンの魅力について整理してみましょう。
オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
世界の株式市場を幅広くカバーするMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指す投資信託で、先進国だけでなく新興国の企業にも投資できます。
投資先には、アメリカのApple、Microsoft、NVIDIAなどの巨大企業をはじめ、日本やヨーロッパ、アジアの企業も含まれています。
つまり、私たちが世界中の個別株を一つずつ購入しなくても、オルカンを1本持つだけで幅広い企業の成長に参加できるわけです。
これは本当に便利な仕組みです。
昔は海外株式に投資するだけでも、今より手数料が高かったり、購入できる商品が限られていたりしました。
ところが現在では、ネット証券を利用すれば少額から世界中の株式に投資できます。
しかも、オルカンのような低コストのインデックスファンドなら、長期保有しても運用コストを比較的低く抑えられます。
私がオルカンを評価している最大の理由は、**「将来どこの国が成長するのかを自分で予想しなくてもよいこと」**です。
今はアメリカの巨大IT企業が世界経済を引っ張っていますが、20年後も同じ企業がトップに君臨しているとは限りません。
かつて世界を代表していた企業が衰退し、新しい企業が登場することは珍しくありません。
オルカンなら、世界の株式市場の構成が変化すれば、それに応じて投資先の比率も変わっていきます。
長期間にわたって資産形成するうえでは、この仕組みが大きな強みになるのです。
ただし「全世界に分散=安全」ではない
ここは今回の記事で特にお伝えしたい部分です。
オルカンは世界中の企業に分散投資しています。
しかし、投資対象は基本的に株式です。
例えば世界的な金融危機が発生した場合、アメリカ株だけでなく、日本株もヨーロッパ株も同時に下落する可能性があります。
そうなれば、いくら投資先の企業数が多くても、資産全体が大きく減少してしまいます。
また、オルカンは世界中に均等に投資しているわけではありません。
株式市場の規模に応じた時価総額加重方式を採用しているため、アメリカ企業の割合が非常に大きくなっています。
そのため、アメリカの株式市場が大幅に下落すると、オルカンも強く影響を受けます。
「全世界に投資しているからアメリカが暴落しても大丈夫」
という考え方は正しくありません。
さらに日本人投資家の場合、為替の影響もあります。
例えば海外株式の価値がドル建てで変わらなくても、1ドル150円から130円へ円高が進めば、日本円に換算した評価額は約13%減少します。
もちろん、実際のオルカンは複数の通貨に投資しているため、すべてがドル円だけで決まるわけではありません。
それでも為替変動が資産額に大きく影響することは覚えておきたいところです。
つまり、オルカンには「世界中の企業に分散できる」というメリットがある一方で、「株式市場全体の下落」と「為替変動」というリスクが残っています。
これは商品が悪いという話ではありません。
どんなに優れた投資信託でも、リスクをゼロにすることはできないということです。
2026年の投資環境で考えたいこと
2026年は、新NISAが始まって3年目になります。
2024年から積み立てを続けている人の中には、投資額が数百万円になっている人もいるでしょう。
資産が少ないうちは、毎月の積立額を増やすことばかり考えがちです。
しかし資産が500万円、1,000万円と増えてくると、少し考え方が変わってきます。
例えば100万円を運用している人が20%の下落を経験すると、損失は20万円です。
ところが1,000万円を運用している人なら、同じ20%の下落でも200万円の損失になります。
3,000万円なら600万円です。
もちろん、その後に相場が回復する可能性はあります。
しかし、実際に自分の資産が数百万円減少するのを見るのは、想像以上に精神的な負担になると思います。
2026年の世界経済を考えても、金利政策、インフレ、地政学的な緊張、AI関連企業の成長期待など、株式市場を動かす材料は数多く存在します。
実際、2026年前半にも中東情勢や原油価格の上昇、アメリカの金融政策への警戒が株式市場の変動要因となりました。
また、金価格も2026年に歴史的な高値を付けた後、調整する局面がありました。
株式も金も、決して一直線に上昇するものではありません。
だからこそ、私は相場が好調なときほど、将来の下落について考えておくことが重要だと思っています。
資産運用は、上昇相場でどれだけ利益を出せるかだけではありません。
暴落が来ても投資を続けられる仕組みを作ること。
これも長期投資では非常に大切なのです。
金(ゴールド)はなぜ資産防衛に使われるのか?
ここで登場するのが金です。
金は株式とは性質が大きく異なります。
株式は企業が利益を生み出し、その成長によって価値が高まることを期待する資産です。
一方、金は企業のように利益を生み出すわけではありません。
配当金もありませんし、銀行預金のような利息も付きません。
それでも金が世界中で保有されている理由は、長い歴史の中で価値を認められてきた実物資産だからです。
通貨の信用が揺らいだときや、世界情勢が不安定になったときなどには、金へ資金が向かうことがあります。
例えば株式市場が大きく下落する局面で、金が比較的底堅く推移することもあります。
もちろん、必ず株式と反対方向に動くわけではありません。
金融危機の際には、現金を確保するために金まで売られることもあります。
それでも長期的に考えると、株式とは異なる値動きをする資産を組み合わせることで、資産全体の変動を抑えられる可能性があります。
私はここに金を保有する意味があると思っています。
例えば資産1,000万円をすべて株式で保有していた場合、株式が30%下落すると700万円になります。
一方、株式800万円と金200万円に分けていた場合、株式が30%下落し、金価格が変わらなければ、資産は760万円になります。
この例では60万円の差が生まれます。
ただし、金も同時に下落すれば、この差は小さくなります。
重要なのは、金を買えば絶対に安心ということではなく、異なる性質の資産を組み合わせることに意味があるという点です。
また、日本円で金に投資する場合には、金そのものの価格に加えて為替変動の影響を受ける商品もあります。
金は万能の安全資産ではありませんが、資産形成の選択肢として知っておいて損はないと思います。
高配当株は「資産を増やす」だけでなく「収入を得る」投資
次に注目したいのが高配当株です。
高配当株とは、株価に対して比較的多くの配当金を支払う企業の株式です。
例えば100万円分の株式を保有していて、年間の配当利回りが4%なら、税引き前で年間4万円の配当金を受け取る計算になります。
500万円なら年間20万円。
1,000万円なら年間40万円です。
もちろん、これは配当利回りが4%で維持された場合の単純計算で、実際の配当金は企業の業績や方針によって増減します。
私が高配当株に魅力を感じるのは、株価が上昇しなくても、企業が配当を維持していれば現金収入を受け取れることです。
投資信託で資産を増やすことは非常に大切ですが、将来セミリタイアすることを考えると、定期的な収入があることも魅力的です。
例えば月15万円で生活するなら、年間180万円が必要です。
そのうち配当金から年間36万円を受け取れれば、生活費の20%を補える計算になります。
残りは貯蓄やその他の収入で賄えばいいわけです。
もちろん高配当株にもリスクがあります。
業績が悪化すれば減配や無配になることがありますし、株価そのものが大きく下落することもあります。
また、配当金は企業の資産から支払われるため、配当が出たからといって、その分だけ無条件に資産が増えるわけではありません。
それでも、定期的に現金を受け取れることは、資産を取り崩すことに抵抗がある人にとって大きなメリットになると思います。
特に50代以降、資産を「増やす段階」から「使う段階」へ移行していく人には、検討する価値がある投資方法ではないでしょうか。
新NISAはオルカンだけに使う必要はない
2026年現在の新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円となっています。
両方を合わせると年間360万円まで投資でき、非課税保有限度額は合計1,800万円です。
このうち成長投資枠で利用できる非課税保有限度額は1,200万円となっています。
また、非課税保有期間は無期限です。
これは長期投資家にとって非常に魅力的な制度です。
つみたて投資枠ではオルカンなどの投資信託を積み立て、成長投資枠では高配当株や対象となる金関連の投資信託・ETFを購入する。
このような使い分けも可能です。
ただし、すべての金関連商品が新NISAで購入できるわけではありません。対象商品は証券会社や制度上の条件によって異なります。
また、国内上場株式の配当金を非課税で受け取るには、原則として「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
こうした制度上の注意点もありますが、新NISAは単に投資信託を積み立てるだけの制度ではありません。
自分の目的に応じて、資産の組み合わせを考えられる制度でもあるのです。
私が考える理想は「増やす・守る・受け取る」の3つ
長年投資を続けてきて、私が大切だと感じているのは、資産運用の目的を一つに絞りすぎないことです。
若い頃は、とにかく資産を増やすことを優先してもいいと思います。
しかし、年齢を重ねて資産が増えてくると、考え方も少しずつ変わってきます。
特に50代からのセミリタイアを目指すのであれば、資産を増やすことだけではなく、減らしすぎないことや、生活費として使えるお金を確保することも重要になります。
そこで私が考えているのが、オルカン、金、高配当株という3つの役割です。
オルカンは世界経済の成長を取り込むための中心的な投資先。
金は株式とは異なる値動きを取り入れ、資産全体の変動を抑えることを期待する投資先。
高配当株は値上がり益に加えて、定期的な配当収入を目指す投資先です。
ただし、オルカンと高配当株はどちらも株式なので、組み合わせただけで大きな分散効果が生まれるとは限りません。
そして忘れてはいけないのが現金です。
数年以内に使う予定のお金や、生活費の予備資金まで投資してしまうと、暴落時に資産を売却せざるを得なくなる可能性があります。
だからこそ私は、オルカンを中心にしながら、必要に応じて金や高配当株を加え、さらに生活防衛資金を現金で確保するという考え方が大切だと思っています。
オルカンだけでも、投資方針として十分合理的です。
ただし、それが自分の年齢、資産額、生活費、将来の目標に合っているかどうかは別の話です。
20代で30年間積み立てる人と、50代で数年後にセミリタイアを目指す人では、適切な資産配分が違って当然です。
私が目指したいのは、単に投資成績が良いポートフォリオではありません。
相場が上がっているときも、下がっているときも、安心して持ち続けられる資産構成です。
資産形成は長い道のりです。
途中で大きく儲けることよりも、最後まで投資を続けられることの方が大切なのかもしれません。
第1章のまとめ|オルカンは優秀。でも資産防衛は別に考えたい
今回は、オルカンの魅力と弱点、そして金や高配当株を組み合わせる意味について考えてみました。
オルカンは低コストで世界中の株式に分散投資できる、非常に優れた商品です。
これから新NISAを始める初心者の方が、最初の1本として検討する価値は十分にあります。
しかし、どんなに優れた商品でも暴落を避けることはできません。
だからこそ資産が増えてきたら、「どう増やすか」だけではなく、「どう守るか」「どう使うか」についても考えておきたいところです。
私自身、これまでの投資生活で何度も失敗してきました。
利益を追いかけすぎたり、リスクを取りすぎたりして、後悔したこともあります。
それでも投資を続けてこられたのは、失敗するたびに資金管理の大切さを学んできたからだと思っています。
今後も投資を続けていくうえで、私は「大きく儲けること」よりも「大きな失敗を避けること」を大切にしていきたいと考えています。
次の第2章では、今回紹介した金と高配当株について、さらに詳しく掘り下げていきます。
金投資では、金の現物、投資信託、ETFの違いや、為替ヘッジの有無によって何が変わるのかを解説します。
高配当株では、配当利回りだけで銘柄を選んではいけない理由や、減配リスク、長期保有に向いた企業の見極め方を考えていきます。
そして最終章となる第3章では、資産500万円、1,000万円、3,000万円を例に、オルカン・金・高配当株をどのように組み合わせるのか、具体的な資産配分をシミュレーションしたいと思います。
焦らず、欲張らず、コツコツと。
資産を増やすだけでなく、守ることも意識しながら、これからも一緒に投資を続けていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
カメさんでした。
※この記事は2026年10月10日時点の制度・公開情報を参考にした一般的な投資情報です。特定の商品への投資を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。
第2章 金と高配当株はどれを買えばいい?2026年最新のおすすめ商品と失敗しない選び方
こんにちは、カメさんです!
第1章では、新NISAで人気の「オルカン」について、その魅力と弱点をお話ししました。
世界中の株式に分散投資できるオルカンは、長期の資産形成にとても優れた商品です。
しかし、世界中に分散しているからといって、株価の暴落から完全に守られるわけではありません。
そこで今回の第2章では、オルカンと組み合わせる投資先として注目したい「金(ゴールド)」と「高配当株」について、具体的な商品を紹介しながら考えていきたいと思います。
特に私が大切にしているのは、**「資産を増やすこと」と「資産を守ること」、そして「将来の生活費を生み出すこと」**の3つです。
若い頃は、とにかく株価が上がることばかり考えていました。
しかし、20年以上投資を続けていると、資産を増やすことと同じくらい、資産を減らしすぎないことが重要だと感じるようになります。
そして、将来的にセミリタイアを目指すのであれば、投資から定期的な収入が得られる仕組みも魅力的です。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。
金も高配当株も、買えば必ず儲かる商品ではありません。
むしろ選び方を間違えると、オルカンだけを保有している場合よりも大きな損失を出す可能性があります。
だからこそ、今回は単純なおすすめランキングではなく、それぞれの特徴とリスクを理解したうえで、自分に合った商品を選ぶ方法を考えていきましょう。
金投資が注目される理由。なぜ世界中の投資家がゴールドを買うのか?
金と聞くと、金の延べ棒や金貨を思い浮かべる方も多いと思います。
昔から金は価値のある貴金属として扱われてきました。
しかし現在では、宝飾品としての需要だけでなく、中央銀行や投資家が資産の一部として保有する重要な存在になっています。
金が注目される理由の一つが、株式や債券とは異なる性質を持っていることです。
株式は企業の利益や成長によって価値が変動しますが、金そのものは企業の業績に左右されません。
また、金は特定の国の通貨ではないため、通貨の信用に対する不安が高まったときなどに買われることがあります。
世界情勢が不安定になると「安全資産として金が買われた」というニュースを見かけますが、これは金が長い歴史の中で価値を認められてきたことも関係しています。
ただし、金は常に安全というわけではありません。
株式市場が暴落したときに金も一緒に売られることがありますし、金利や為替の変化によって大きく値下がりすることもあります。
特に2026年のように金価格が大きく変動する環境では、「金だから安心」という思い込みは禁物です。
私が金を保有する目的は、短期間で大きな利益を狙うことではありません。
株式とは異なる値動きをする資産を持つことで、資産全体のリスクを分散すること。
これが一番の理由です。
金の現物・投資信託・ETFは何が違う?
金投資には、大きく分けて現物購入、投資信託、ETFという方法があります。
現物購入は、金貨や金地金などを実際に保有する方法です。
手元に金があるという安心感はありますが、購入時の手数料や売買価格の差、保管場所、盗難対策などを考える必要があります。
一方、投資信託なら証券口座から少額で購入でき、毎月自動的に積み立てることもできます。
金そのものを自宅に保管する必要がないため、初心者でも比較的始めやすい方法です。
そしてETFは、証券取引所に上場している投資信託です。
株式と同じように市場が開いている時間に売買でき、金価格に連動する商品も数多くあります。
私は長期的な資産形成を目的とするなら、金の現物を大量に保有するよりも、投資信託やETFを利用する方が管理しやすいと思っています。
ただし、商品によって運用コストや金価格との連動方法が違います。
ここは購入前に必ず確認したいポイントです。
2026年に注目したい金ETF
それでは、実際にどのような商品があるのでしょうか。
2026年10月現在、日本の証券会社で購入を検討できる代表的な金ETFとして、「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328)」があります。
このETFは円換算した金価格への連動を目指す商品で、2026年10月上旬時点の信託報酬は年0.176%(税込)です。
金ETFの中でも運用コストが比較的低く、長期保有を考える際の候補になります。
また、「iシェアーズ ゴールド ETF(314A)」も注目したい商品です。
こちらも金価格への連動を目指すETFで、信託報酬は年0.22%程度となっています。
さらに「純金上場信託(1540)」という商品もあります。
こちらは国内で金の現物を保管する仕組みを採用しており、一定の条件を満たせば金地金との交換が可能という特徴があります。
ただし、信託報酬は年0.44%程度と、低コストな金ETFより高めです。
このように同じ金投資でも、商品によって特徴が違います。
初心者の方は、単純に有名な商品を選ぶのではなく、信託報酬、売買のしやすさ、金価格との連動方法、新NISAの対象商品かどうかを確認することが大切です。
特に新NISAでは、すべての金ETFや金投資信託が購入できるわけではありません。
また、つみたて投資枠と成長投資枠では対象商品が異なります。
金関連商品を購入するときは、証券会社の注文画面で成長投資枠の対象になっているか確認することをおすすめします。
金投資では「為替ヘッジあり・なし」に注意したい
金投資で初心者が見落としやすいのが、為替の影響です。
国際的な金価格は主に米ドル建てで取引されています。
そのため、日本円で金に投資する場合、金価格だけでなくドル円相場も影響します。
例えば、金のドル建て価格が変わらなかったとしても、円安になれば日本円で見た金価格は上昇する可能性があります。
反対に円高になれば、金価格が上昇していても日本円での利益が小さくなることがあります。
そこで登場するのが「為替ヘッジ」です。
為替ヘッジありの商品は、為替変動による影響を抑えることを目指します。
一方、為替ヘッジなしの商品は、金価格と為替の両方の影響を受けます。
どちらが良いかは、投資目的によって違います。
例えば日本円の価値が下がることへの備えとして金を保有したいなら、為替ヘッジなしを検討する考え方があります。
一方、為替の影響をできるだけ抑えて金そのものの値動きを取り込みたいなら、為替ヘッジありの商品が候補になります。
ただし、為替ヘッジにはコストがかかる場合があり、為替変動の影響を完全になくせるわけでもありません。
金投資では、金価格だけを見て判断しないことが重要です。
高配当株の魅力は「定期的にお金が入ってくること」
次に高配当株について考えてみましょう。
私が高配当株に魅力を感じる最大の理由は、株式を保有しているだけで配当金を受け取れることです。
例えば100万円を投資して、配当利回りが年間4%なら、年間4万円の配当収入が期待できます。
500万円なら年間20万円。
1,000万円なら年間40万円です。
もちろん、企業の業績によって配当金は変動しますし、減配や無配になる可能性もあります。
それでも定期的な現金収入が得られるというのは、資産形成を続けるうえで大きな魅力です。
特に私のように将来的なセミリタイアを考えている人にとって、配当金は生活費を補う収入源の一つになります。
例えば月15万円の生活費が必要な場合、年間180万円です。
このうち年間36万円を配当金で受け取れれば、生活費の20%を賄う計算になります。
毎月3万円分の収入があるのと同じです。
会社員として働いている間は、月3万円をそれほど大きな金額だと感じないかもしれません。
しかし、セミリタイア後の月3万円は非常に大きな意味を持ちます。
生活費を補えるだけでなく、資産を取り崩す金額を減らせるからです。
ただし、配当金は株式の価値とは別に無条件で増えるお金ではありません。
企業が配当を支払えば、その分だけ企業の資産は減少します。
そのため、配当金だけでなく株価の変動も含めた総合的な運用成績で判断する必要があります。
初心者におすすめしたいのは個別株より高配当ETF
高配当株というと、日本の大手銀行、通信会社、商社、保険会社などを思い浮かべる方も多いでしょう。
もちろん、個別企業の株式を購入する方法もあります。
しかし初心者の方が最初から数社だけに集中投資するのは、あまりおすすめできません。
例えば配当利回りが5%の企業を見つけたとします。
一見すると非常に魅力的です。
しかし、その企業の業績が悪化して株価が30%下落すれば、数年分の配当金を上回る評価損が発生する可能性があります。
また、企業が減配を発表すると、配当収入が減るだけでなく株価まで大きく下落することがあります。
そこで初心者の方に知ってほしいのが、高配当ETFです。
高配当ETFは、複数の高配当株をまとめて保有できる商品です。
個別企業を一つずつ選ぶ必要がなく、比較的少額から分散投資できます。
代表的な商品が「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)」です。
このETFは日経平均株価の構成銘柄から、予想配当利回りの高い原則50銘柄に投資します。
2026年10月5日時点で公表されている分配金利回りは約2.69%、信託報酬は年0.308%(税込)です。
分配金は年4回を基本としており、定期的な収入を目指す投資家にとって魅力的な商品です。
また「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)」も候補になります。
こちらは配当利回りだけでなく、企業の財務状況なども考慮した指数への連動を目指すETFです。
信託報酬は年0.209%程度で、低コストな高配当ETFの一つです。
ただし、高配当ETFでも株価が下落することはあります。
また、業種が銀行や保険などに偏る場合もあるため、ETFだから完全に安心というわけではありません。
配当利回り5%より3%の企業が優れていることもある
ここで高配当株投資の重要なポイントをお話しします。
それは、配当利回りが高い企業ほど良い企業とは限らないということです。
例えばA社の配当利回りが5%、B社が3%だったとします。
数字だけを見ると、A社の方が魅力的に感じます。
しかし、A社は業績が悪化していて、将来減配する可能性が高いかもしれません。
一方、B社は業績が安定していて、毎年少しずつ配当金を増やしている企業かもしれません。
長期投資では、現在の配当利回りだけでなく、将来も配当を支払い続けられるかが重要になります。
そこで確認したいのが、企業の利益、配当性向、キャッシュフロー、財務状況などです。
配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれくらいを配当金として支払っているかを示す指標です。
例えば利益のほとんどを配当に回している企業は、業績が悪化したときに減配せざるを得なくなる可能性があります。
反対に、無理のない範囲で配当を支払い、利益も成長している企業なら、将来的な増配も期待できます。
私なら、目先の高い配当利回りだけを追いかけるより、長く配当を支払い続けられる企業を選びたいと思っています。
投資で大切なのは、一年だけ高い配当金を受け取ることではありません。
10年、20年と安定した収入を得られる可能性を高めることです。
新NISAで高配当株を買うメリットは税金にある
高配当株と新NISAは、非常に相性の良い組み合わせです。
通常、日本の上場株式から配当金を受け取ると、原則として20.315%の税金がかかります。
例えば年間10万円の配当金を受け取った場合、課税口座では税金が差し引かれ、手取りは約8万円になります。
ところが新NISAで購入した国内株式なら、所定の条件を満たすことで配当金を非課税で受け取れます。
年間10万円なら10万円。
年間30万円なら30万円をそのまま受け取れるわけです。
ただし、国内上場株式やETFの配当金・分配金を非課税で受け取るには、原則として証券口座で「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。
銀行口座で受け取る方式などでは、NISAで保有していても課税される場合があるため注意が必要です。
また、米国株など外国株式の場合、現地で源泉徴収される税金まで新NISAで非課税になるわけではありません。
こうした違いも理解しておくと、より効率的な資産運用につながります。
オルカン・金・高配当株は、それぞれ役割が違う
ここまで金と高配当株について詳しく見てきました。
私が重要だと思っているのは、それぞれの商品を同じ目的で購入しないことです。
オルカンは、世界経済の成長を取り込むための中心的な投資先です。
金は、株式とは異なる値動きを取り入れることで、資産全体のリスク分散を目指す投資先です。
そして高配当株は、値上がり益だけでなく、定期的な配当収入を目指す投資先です。
このように役割を分けて考えると、自分に必要な商品が見えてきます。
ただし、オルカンにも配当を支払う企業が多数含まれています。
そのため、高配当株を追加することは、必ずしも新しい資産クラスへの分散を意味しません。
特に株式市場全体が下落した場合には、オルカンも高配当株も同時に値下がりする可能性があります。
また、金は利息や配当金を生まないため、長期的な資産成長という点では株式に劣る期間もあります。
つまり、どれか一つが万能なのではありません。
自分の年齢や資産額、投資期間、生活費、リスク許容度によって、適切な組み合わせは変わってくるのです。
私なら金や高配当株を一度に大量購入しない
最後に、私自身が大切にしたい買い方についてお話しします。
それは、一度に大きな金額を投資しないことです。
もちろん、長期的には一括投資の方が有利になるケースもあります。
しかし、購入直後に大きく値下がりすると、精神的な負担が大きくなることもあります。
特に金価格が大きく上昇した後や、高配当株が人気になっている局面では、焦って購入しないことが大切です。
例えば金を100万円購入する予定なら、最初から全額を投資するのではなく、数回に分けて購入する方法もあります。
高配当株も同じです。
配当利回りが高いからといって一度に購入せず、企業の業績や株価を確認しながら少しずつ買い増していく。
私は、このような無理のない投資方法が長く続けやすいと思っています。
ただし、分割購入すれば必ず利益が増えるわけではありません。
上昇相場では、購入を遅らせた分だけ利益を逃す可能性もあります。
それでも、無理をして投資を続けられなくなるより、自分が安心して続けられる方法を選ぶ方が大切だと考えています。
第2章のまとめ|高い利回りより、長く持ち続けられる商品を選ぼう
今回は、金と高配当株について、具体的な商品や選び方を紹介しました。
金には、株式とは異なる値動きを取り入れられるという特徴があります。
一方、高配当株には、定期的な配当収入を得られるという魅力があります。
どちらも新NISAの成長投資枠で購入できる対象商品があり、長期的な資産形成の選択肢になります。
ただし、金も高配当株も元本保証ではありません。
そして、投資対象を増やせば必ず資産運用が成功するわけでもありません。
私は、資産運用で最も大切なのは「自分が理解できる商品を、自分が納得できる金額で保有すること」だと思っています。
SNSで話題になっているから買う。
配当利回りが高いから買う。
最近金価格が上昇しているから買う。
こうした理由だけで投資をすると、相場が下落したときに不安になってしまいます。
だからこそ、購入する前に「なぜその商品を保有するのか」を考えておきたいところです。
私が目指したいのは、短期間で資産を2倍、3倍にするような投資ではありません。
将来のセミリタイアに向けて、少しずつ資産を育てながら、相場が悪いときにも慌てず生活できる仕組みを作ることです。
そして次の第3章では、いよいよ実践編です。
資産500万円、1,000万円、3,000万円を例に、オルカン・金・高配当株をどのような割合で組み合わせればよいのか。
さらに、配当金が年間いくら受け取れるのか、株式市場が30%下落した場合に資産はどうなるのか、現金をどのくらい残しておくべきなのかも具体的に計算してみたいと思います。
50代からのセミリタイアを考える人にとっても、参考になる内容にしたいと思っています。
資産運用は、他人と競争するものではありません。
自分の生活を豊かにするためのものです。
焦らず、欲張らず、コツコツと。
カメさんらしく、これからも無理のない資産形成を続けていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
カメさんでした。
※本記事は2026年10月10日時点で確認できる公開情報をもとに作成しています。信託報酬、分配金利回り、NISA対象区分などは変更される場合があります。投資判断の際は各運用会社の最新資料をご確認ください。
第3章 新NISAで資産をどう分ける?500万円・1,000万円・3,000万円の資産配分と暴落対策を徹底シミュレーション!
こんにちは、カメさんです!
今回で「新NISAはオルカンだけで大丈夫?金・高配当株を組み合わせる資産防衛術」も、いよいよ最終章となりました。
第1章では、オルカンの魅力と弱点について、第2章では金(ゴールド)と高配当株の特徴や選び方について詳しく解説しました。
そして今回の第3章では、実際に資産をどのような割合で保有すればよいのか、具体的な数字を使って考えていきたいと思います。
投資を始めたばかりの頃は、「何を買えば儲かるのか?」ということばかり考えてしまいます。
私も若い頃はそうでした。
しかし、20年以上投資を続けてきて感じるのは、資産運用で本当に大切なのは、どの商品を購入するかだけではないということです。
同じ投資信託を保有していても、資産のほとんどを投資している人と、十分な現金を確保している人では、暴落時の対応がまったく違います。
また、30代で資産を増やしたい人と、50代でセミリタイアを目指している人では、必要な資産配分も違って当然です。
私が目指しているのは、一度の投資で大きく儲けることではありません。
株価が上がっているときも、下がっているときも、安心して投資を続けられる資産構成を作ること。
そして将来、会社員生活に一区切りをつけ、自分の好きな場所で自由な時間を過ごせるようになることです。
そのために今回は、資産500万円、1,000万円、3,000万円という3つのケースで、オルカン・金・高配当株・現金をどのように組み合わせるのかをシミュレーションしてみます。
なお、今回紹介する配分はあくまでも考え方を理解するための一例です。すべての人に最適な割合というわけではありません。
まずは投資する前に「現金をいくら残すか」を決めよう
資産配分というと、オルカンを何%、金を何%、高配当株を何%と考えがちです。
しかし、私が最初に決めたいのは現金の割合です。
なぜなら、生活費まで投資してしまうと、株価が暴落したときに資産を売却しなければならなくなる可能性があるからです。
例えば毎月の生活費が15万円なら、年間180万円が必要です。
生活費の1年分を現金で確保するなら180万円。
2年分なら360万円になります。
もちろん、会社員として安定した給与収入がある人なら、必ずしも2年分の生活費を現金で持つ必要はありません。
しかし、これからセミリタイアする人や、収入が不安定になる予定の人は、現金を多めに確保することも考えたいところです。
私自身、これまで株式投資やFXなど、さまざまな投資を経験してきました。
その中で何度も感じたのが、余裕資金の重要性です。
相場が急落しているとき、手元に現金があれば落ち着いて対応できます。
一方、資金に余裕がなければ、値下がりしていると分かっていても売却せざるを得ないことがあります。
投資で大切なのは、利益を増やすことだけではなく、相場から退場しないこと。
この考え方は、資産が増えても変わらないと思っています。
資産500万円の場合|まずはオルカンを中心に資産形成
最初に、金融資産が500万円ある人を考えてみましょう。
例えば現金を100万円、オルカンを300万円、金を50万円、高配当株を50万円保有するケースです。
割合にすると、現金20%、オルカン60%、金10%、高配当株10%になります。
私なら、資産形成の初期段階では、まずオルカンを中心にすることを考えます。
なぜなら、まだ資産を大きく育てていく段階だからです。
オルカンを通じて世界経済の成長を取り込みながら、金や高配当株も少しずつ保有することで、それぞれの値動きや特徴を学ぶことができます。
ここで高配当株50万円の配当利回りを年3.5%と仮定すると、年間配当金は17,500円です。
月平均では約1,458円になります。
「たった1,458円?」
と思うかもしれません。
確かに、この金額だけで生活を変えることは難しいでしょう。
しかし、毎年配当金を受け取りながら、資産を増やしていく経験には意味があると思います。
また、配当金を使わずに再投資すれば、将来の資産形成に役立てることもできます。
ただし、オルカンのような分配金を出さずに運用する投資信託では、ファンド内部で配当収益が再投資される仕組みが一般的です。
そのため、配当金を受け取らないから不利というわけではありません。
むしろ、資産を増やす段階では、分配金を受け取らずに複利効果を生かす方法も非常に合理的です。
資産1,000万円の場合|金と高配当株の割合を少し増やす
次に資産1,000万円の場合です。
例えば現金200万円、オルカン500万円、金100万円、高配当株200万円という組み合わせを考えてみます。
割合は現金20%、オルカン50%、金10%、高配当株20%です。
資産500万円のケースよりも高配当株の割合を増やしています。
これは、資産の成長だけでなく、定期的な現金収入も意識した配分です。
高配当株200万円を年3.5%の配当利回りで運用できたと仮定すると、年間配当金は7万円になります。
月平均では約5,833円です。
もちろん、実際に毎月同じ金額が振り込まれるわけではありません。
企業やETFによって配当・分配金の支払時期は異なります。
それでも年間7万円の現金収入があれば、ちょっとした旅行代や生活費の一部に充てることができます。
また、金を100万円保有しているため、株式市場が大きく下落した場合にも、金の値動きによっては資産全体の下落を和らげられる可能性があります。
ただし、ここで一つ注意したいことがあります。
オルカンと高配当株は、どちらも株式です。
つまり、この組み合わせでは資産全体の70%を株式に投資していることになります。
「金も持っているから安全」と思い込まず、株式市場全体が下落した場合の影響を考えておく必要があります。
資産3,000万円の場合|セミリタイアを意識した守りの資産配分
最後に資産3,000万円の場合です。
私が50代からのセミリタイアを考えるなら、この段階では資産を増やすことと同じくらい、守ることを重視したいと思います。
例えば現金600万円、オルカン1,200万円、金300万円、高配当株900万円という組み合わせです。
割合は現金20%、オルカン40%、金10%、高配当株30%になります。
資産の70%を株式に投資しているため、決して保守的な配分とは言えません。
しかし、現金600万円を確保しておけば、毎月15万円の生活費なら単純計算で約3年4か月分になります。
もちろん、税金や医療費なども考慮する必要がありますが、数年分の生活費を現金で持っていることは、セミリタイア後の大きな安心材料になるでしょう。
そして高配当株900万円を年3.5%の配当利回りで運用できた場合、年間配当金は31万5,000円です。
月平均では26,250円になります。
仮に生活費が月15万円なら、その約17.5%を配当収入で補える計算です。
これはなかなか魅力的ではないでしょうか。
ただし、配当金は保証された収入ではありません。
企業の業績が悪化すれば減配される可能性がありますし、株価の下落によって元本が減少することもあります。
そのため、配当金だけを頼りに生活設計をするのではなく、現金やその他の収入源と組み合わせることが重要です。
3つの資産配分を比較してみよう
ここまでのシミュレーションをまとめると、次のようになります。
| 資産 | 500万円 | 1,000万円 | 3,000万円 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 100万円 | 200万円 | 600万円 |
| オルカン | 300万円 | 500万円 | 1,200万円 |
| 金 | 50万円 | 100万円 | 300万円 |
| 高配当株 | 50万円 | 200万円 | 900万円 |
| 年間配当金(仮定) | 1.75万円 | 7万円 | 31.5万円 |
※高配当株の年間配当利回りを3.5%と仮定した税引き前の試算です。オルカンの内部再投資分や金の値上がり益は含めていません。
ここで重要なのは、資産が増えたからといって、必ず高配当株の割合を増やす必要はないということです。
資産3,000万円でも、まだ20年以上運用する予定なら、オルカンを中心にした方が自分に合っている人もいるでしょう。
反対に、数年以内に仕事を辞める予定なら、現金や債券などの割合を増やしてリスクを抑える考え方もあります。
つまり、資産額だけでなく、**「いつ、何のために使うお金なのか」**を考えることが大切なのです。
株式市場が30%暴落したら、資産はどうなる?
ここからは少し厳しいシミュレーションをしてみましょう。
仮に世界的な金融危機が起こり、オルカンと高配当株がどちらも30%下落したとします。
現金は変動しないものとし、まず金価格も変わらなかった場合を考えます。
資産500万円のケースでは、オルカン300万円が210万円、高配当株50万円が35万円になります。
金50万円と現金100万円は変わらないため、合計資産は395万円です。
つまり105万円の損失です。
資産1,000万円のケースでは、オルカン500万円が350万円、高配当株200万円が140万円になります。
金100万円と現金200万円を合わせると790万円です。
損失は210万円になります。
資産3,000万円の場合は、オルカン1,200万円が840万円、高配当株900万円が630万円になります。
金300万円と現金600万円を合わせると、合計2,370万円です。
損失は630万円です。
資産が増えれば、同じ下落率でも損失額は大きくなります。
しかし、すべてを株式で保有していた場合と比べると、現金や金を組み合わせた分だけ損失を抑えられています。
ただし、金も同時に20%下落した場合には、資産500万円のケースで385万円、1,000万円なら770万円、3,000万円なら2,310万円まで減少します。
金を持っていれば暴落を完全に防げるわけではない。
ここは忘れてはいけません。
暴落したときこそ、資産配分の効果が分かる
投資をしていると、どうしても利益が出ている商品ばかり気になります。
オルカンが上昇しているときは、もっとオルカンを買いたくなる。
金が上昇しているときは、もっと金を買いたくなる。
高配当株が人気になれば、配当利回りの高い企業を探したくなる。
しかし、相場が上昇しているときに投資先を増やし続けると、気がつかないうちにリスクを取りすぎてしまうことがあります。
そこで大切になるのが、定期的な資産配分の見直しです。
例えば、最初は金を資産全体の10%保有していたのに、金価格の上昇によって20%まで増えたとします。
そのまま保有する方法もありますが、当初決めた配分へ戻すことも考えられます。
これを「リバランス」と呼びます。
値上がりした資産を一部売却し、相対的に割合が減った資産を購入することで、資産配分を元に戻す方法です。
もちろん、売却による税金や手数料、NISA枠の扱いには注意が必要です。
新NISAでは売却した商品の取得金額に相当する非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能になりますが、その年の年間投資枠が増えるわけではありません。
そのため、私は無理に頻繁な売買をする必要はないと思っています。
年に1回程度、資産配分を確認し、大きく偏っていたら調整する。
あるいは新しく積み立てるお金を、割合が少なくなった資産へ振り向ける。
このような方法でも、資産配分を管理できます。
新NISAの1,800万円をどう使うか
ここで新NISAの制度についても確認しておきましょう。
2026年現在、新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
合計すると年間360万円まで投資できます。
そして非課税保有限度額は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠だけで利用できる上限は1,200万円です。
この制度を利用すれば、投資信託や対象となる株式・ETFから得られる利益を非課税で運用できます。
ただし、資産3,000万円を持っているからといって、3,000万円すべてを一度に新NISAへ入れられるわけではありません。
年間投資枠と非課税保有限度額を守る必要があります。
また、新NISAの対象外となる商品もあります。
私なら、まず長期保有する予定のオルカンをつみたて投資枠で積み立て、成長投資枠では高配当株や対象となる金関連商品を検討します。
ただし、オルカンは成長投資枠でも購入できるため、必ずこの組み合わせにする必要はありません。
また、高配当株をNISAで保有する場合は、国内上場株式の配当金を非課税で受け取るために「株式数比例配分方式」を選択しているか確認したいところです。
そして、NISA口座で発生した損失は、課税口座の利益と損益通算できません。
非課税というメリットだけでなく、こうした制度上の特徴も理解しておくことが大切です。
50代からのセミリタイアでは「配当金だけで生活」を目指さなくてもいい
FIREやセミリタイアについて調べていると、「配当金だけで生活する」という言葉をよく見かけます。
確かに魅力的です。
毎月働かなくてもお金が入ってくる生活は、多くの人にとって憧れでしょう。
しかし、配当金だけで生活費のすべてを賄おうとすると、かなり大きな資産が必要になります。
例えば月15万円、年間180万円を配当金だけで受け取ろうとした場合、配当利回り3.5%なら約5,143万円の高配当株が必要です。
しかも、これは税引き前の単純計算です。
実際には減配や株価下落の可能性もあります。
そのため私は、配当金だけで生活することにこだわる必要はないと思っています。
例えば、配当金から年間30万円、ブログなどの副収入から年間30万円、残り120万円を現金や運用資産の取り崩しで賄う方法もあります。
もちろん、ブログ収入は保証されませんし、資産の取り崩しも長期的な計画が必要です。
それでも、一つの収入源だけに頼るより、複数の方法を組み合わせる方が柔軟に生活できるのではないでしょうか。
私が目指したいのは、配当金だけで豪華な生活をすることではありません。
必要な生活費を確保しながら、好きな場所で自分の時間を過ごせる生活です。
そのためには、資産を増やすことと同じくらい、資産を上手に使うことも大切だと思っています。
オルカンだけでも間違いではない。大切なのは自分に合った投資方法
今回の3部作を通じて、オルカン、金、高配当株について考えてきました。
ここで最後にお伝えしたいことがあります。
それは、オルカンだけを保有する投資方法も、十分に合理的だということです。
オルカンは世界中の企業へ分散投資でき、運用コストも低く、長期的な資産形成に適しています。
特に投資期間が長く、株価の下落にも耐えられる人なら、オルカンを中心に積み立てるだけでもシンプルで優れた投資方法になります。
一方で、株式市場の暴落が不安な人や、数年以内に資産を使う予定がある人なら、現金や金、債券などを組み合わせることも考えたいところです。
また、定期的な配当収入が欲しい人なら、高配当株を一部保有する方法もあります。
ただし、高配当株を増やせば必ずリスクが下がるわけではありません。
オルカンと高配当株は、どちらも株式という同じ資産クラスに属しています。
そのため、本当の意味で資産全体の価格変動を抑えたいなら、現金や債券などの役割も考える必要があります。
投資方法に絶対的な正解はありません。
大切なのは、他人が儲かっている商品を真似することではなく、自分の生活や将来の目標に合った投資方法を選ぶことです。
最終章のまとめ|資産を増やすだけでなく、守りながら使う時代へ
今回の3部作では、新NISAを活用した資産形成について、オルカン・金・高配当株という3つの投資先を中心に考えてきました。
私が一番伝えたかったのは、投資で大切なのは利益の大きさだけではないということです。
若い頃は多少の失敗をしても、働いて取り戻す時間があります。
しかし50代、60代になれば、資産を大きく失った後に取り戻す時間は少なくなっていきます。
だからこそ、年齢や資産額に応じて投資方法を見直していく必要があります。
私自身、20年以上投資を続ける中で、うまくいったこともあれば、大きく失敗したこともありました。
特にFXでは、リスクを取りすぎることの怖さを何度も経験しています。
その経験があるからこそ、今は資産を増やすことと同じくらい、守ることを意識するようになりました。
もちろん、投資で利益を出すことは嬉しいものです。
でも、資産が増えたからといって、必ずしも人生が豊かになるわけではありません。
大切なのは、その資産を使って何を実現したいのかということです。
私の場合は、将来的に会社員生活から少し距離を置き、暖かい海外でのんびり暮らすことが一つの目標です。
朝、目覚まし時計に起こされず、自分の好きな時間に起きる。
散歩をしたり、カフェでブログを書いたり、ときには旅行を楽しんだりする。
そんな生活を実現するために、今は働きながら少しずつ資産を育てています。
そのために必要なのは、毎年20%、30%という高い利益を出し続けることではありません。
無理のない運用を続けながら、将来の生活費を確保できる資産を作ることです。
そして、相場が悪いときにも慌てず、長く投資を続けられることです。
「増やす投資」から「守る投資」、そして「人生を楽しむために使う投資」へ。
これからも自分の年齢や生活に合わせて、少しずつ投資方法を考えていきたいと思います。
焦らず、欲張らず、コツコツと。
一歩ずつ進んでいけば、いつか目標にたどり着けるかもしれません。
最後まで3部作を読んでいただき、本当にありがとうございました。
これからも投資や節約、FIRE、海外移住など、皆さんの資産形成に役立つ情報をお届けしていきたいと思います。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
カメさんでした。
※本記事は2026年10月10日時点の新NISA制度を参考にした一般的な投資情報です。資産配分や配当金の計算は仮定に基づくシミュレーションであり、将来の利益や元本を保証するものではありません。