新NISAだけで老後2,000万円は作れる?2026年最新版シミュレーション
第1章 新NISAだけで老後2,000万円は本当に作れるのか?
「老後2,000万円問題」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
数年前までは「そんな大金は到底無理」「投資は怖いから預金だけで十分」と考える人も多くいました。しかし2024年に始まった新NISAによって、日本人の資産形成は大きく変わりました。
2026年現在では、新NISA口座数は年々増え続け、20代から60代まで幅広い世代が毎月コツコツ積立投資を始めています。
その理由は非常にシンプルです。
「利益に税金がかからない」という最強の制度だからです。
通常、株や投資信託で利益が出ると約20.315%の税金が引かれます。
例えば100万円の利益が出ても、実際に受け取れるのは約80万円です。
しかし新NISAでは、この税金が一切かかりません。
100万円利益が出れば、そのまま100万円が自分の資産になります。
この違いは1年では小さく見えても、20年・30年という長期間になると驚くほど大きな差になります。
だからこそ政府も「貯蓄から投資へ」という流れを後押しし、新NISAという制度をスタートさせました。
2026年現在の新NISAは、
・年間360万円まで投資可能(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
・生涯非課税投資枠1,800万円
・非課税期間は無期限
という、これまでとは比較にならないほど使いやすい制度になっています。以前のNISAのように「非課税期間が終わるから売却しなければいけない」という心配もありません。長期投資を続ける人にとっては非常に大きなメリットです。
ここで一つ、皆さんに考えていただきたいことがあります。
もし毎月5万円を銀行預金に30年間入れ続けたらどうなるでしょうか。
もちろん元本は減りません。
しかし、金利がほとんど付かない現在では、お金はほとんど増えません。
一方、新NISAで世界中の企業へ分散投資し、年平均5〜7%程度のリターンが続いた場合には、資産は雪だるま式に増えていく可能性があります。
もちろん投資なので、毎年必ずプラスになるわけではありません。
株価は上がる年もあれば、大きく下落する年もあります。
2025年から2026年にかけても、米国市場では金利や景気、AI関連企業の業績、世界情勢などの影響で値動きが大きくなる場面がありました。
それでも長期で積立を続けている投資家ほど、一時的な暴落を乗り越え、その後の回復による恩恵を受けてきた歴史があります。
投資で最も重要なのは、「いつ始めるか」ではなく「どれだけ長く続けられるか」です。
世界経済は何度も金融危機や戦争、感染症などを経験してきました。
そのたびに「もう株は終わりだ」と言われてきましたが、世界経済は時間をかけながら成長を続け、多くの株価指数も長期では右肩上がりとなってきました。
だから私は、老後資金を作るために最も大切なのは、難しい投資テクニックではなく、
「毎月決まった金額を積み立てて、途中でやめないこと」
だと考えています。
SNSでは毎日のように「今が買い時」「暴落する」「売った方がいい」といった情報が流れてきます。
しかし、その情報に振り回されて売買を繰り返す人ほど、長期では思うような成果を出せないケースが少なくありません。
反対に、毎月自動積立を設定し、仕事や趣味を楽しみながら20年、30年と積み立てた人の方が、大きな資産を築いているケースは珍しくないのです。
今回の記事では、
毎月3万円・5万円・10万円を積み立てた場合、本当に老後2,000万円を達成できるのか。
さらに、
人気No.1の「S&P500」と「オール・カントリー(オルカン)」ではどちらを選ぶべきなのか。
数字を使いながら、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説していきます。
「投資を始めようか迷っている方」
「新NISAは始めたけれど、このままで良いのか不安な方」
そんな方にとって、この記事が将来のお金について考えるきっかけになれば嬉しいです。
第2章 毎月3万円・5万円・10万円積み立てたら20年後・30年後はいくらになる?
それでは、多くの方が一番気になるシミュレーションを見ていきましょう。
「新NISAを始めたいけど、毎月いくら積み立てればいいの?」
この質問は本当によくいただきます。
結論から言えば、大切なのは無理なく続けられる金額を積み立てることです。
最初から毎月10万円を積み立てても、生活が苦しくなって途中でやめてしまっては意味がありません。
投資は短距離走ではなく、20年・30年という長いマラソンです。
毎月3万円でも、30年間積み立てれば十分大きな資産を作ることができます。
今回は長期投資で現実的な目安として、年利5%で運用できた場合を想定してシミュレーションしてみます。
もちろん将来の利回りは保証されませんが、株式市場は上昇と下落を繰り返しながらも、長期では成長を続けてきた歴史があります。そのため、多くの資産運用シミュレーションでも5%前後が一つの目安として使われています。
毎月3万円積み立てた場合
まずは一番始めやすい毎月3万円です。
年間では36万円の積立となります。
20年間続けると積立元本は720万円ですが、年利5%で運用できた場合、資産は約1,230万円になります。
さらに30年間続けると積立元本は1,080万円ですが、資産は約2,500万円前後まで成長する可能性があります。
注目していただきたいのは、後半になるほど資産が一気に増えていくことです。
これは「複利」の力です。
運用で増えた利益がさらに利益を生み、それが何十年も繰り返されることで、お金がお金を働かせる状態になります。
だからこそ、早く始めることが有利と言われるのです。
毎月5万円積み立てた場合
次に、多くの会社員が現実的に目標としやすい毎月5万円です。
年間60万円の積立になります。
20年間では元本1,200万円に対して、運用資産は約2,050万円。
つまり、老後2,000万円問題で話題になった金額を、年利5%程度で長期間積み立てられれば達成できる可能性があります。
そして30年間続けると、元本1,800万円が約4,100万円前後まで増える可能性があります。
もちろん途中では暴落もあるでしょう。
リーマンショックのような金融危機や、新型コロナのような急落が再び起こる可能性もあります。
しかし、そのような暴落時でも積立を止めずに続けることで、価格が安い時期に多くの口数を購入できるというメリットがあります。
実際、多くの長期投資家は暴落を「資産形成のチャンス」と考えています。
毎月10万円積み立てた場合
最後は毎月10万円です。
年間120万円となり、2026年現在の新NISA「つみたて投資枠」の年間上限と同じ金額になります。制度を効率よく活用したい人に人気の積立額です。
20年間では元本2,400万円が約4,100万円。
30年間では元本3,600万円が約8,300万円前後まで成長する可能性があります。
もちろん全員がここまで積み立てられるわけではありません。
住宅ローンや教育費、家族の生活費など、それぞれ事情は異なります。
だからこそ、無理に10万円を目指す必要はありません。
毎月3万円でも、5万円でも、「継続すること」の方がはるかに重要なのです。
積立投資で一番やってはいけないこと
積立投資で最も避けたいのは、「暴落したから積立をやめること」です。
株価が大きく下がると、多くの人は不安になります。
「もっと下がるかもしれない。」
「今は様子を見よう。」
そう考えて積立を止めてしまう人は少なくありません。
しかし、過去を振り返ると、大きく下落した相場ほど、その後に回復して新しい高値を更新してきたケースが数多くあります。
2025年から2026年にかけても、AI関連銘柄や金利動向、地政学的リスクなどで市場は何度も大きく揺れ動きました。それでも長期で積立を続けた投資家は、市場の回復局面の恩恵を受けることができました。
積立投資は、毎月同じ金額を機械的に買い続けることで、高い時には少なく、安い時には多く買える「ドルコスト平均法」の効果も期待できます。
つまり、感情で売買を繰り返すよりも、何も考えずに積み立てを続ける方が、結果的に良い成果につながるケースが多いのです。
私は20年以上投資を続けていますが、「もっと早く始めておけばよかった」と思うことはあっても、「積立投資を続けなければよかった」と思ったことは一度もありません。
次章では、新NISAで圧倒的人気を誇る「S&P500」と「オール・カントリー(オルカン)」を徹底比較します。
2026年現在の市場環境を踏まえながら、それぞれのメリット・デメリット、そして初心者にはどちらがおすすめなのかを分かりやすく解説していきます。
第3章 結局どっちがおすすめ?S&P500とオルカンを徹底比較【2026年最新版】
新NISAを始める人が必ずと言っていいほど悩むのが、この質問です。
「S&P500とオルカン、結局どちらを選べばいいの?」
2026年現在でも、新NISAの積立ランキングを見ると、この2つの投資信託が圧倒的な人気を集めています。実際、多くの個人投資家がこのどちらかを積み立てており、日本の資産形成の中心的な存在になっています。
では、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
S&P500は「アメリカの成長」に投資するファンド
S&P500とは、アメリカを代表する約500社で構成される株価指数です。
Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Metaなど、世界を代表する企業が数多く組み入れられています。
世界中の人が使うスマートフォン、AI、クラウドサービス、SNS、ネット通販など、私たちの生活に欠かせない企業ばかりです。
世界経済を引っ張っている企業の多くがアメリカ企業であるため、過去20年以上を振り返ってもS&P500は非常に優れた成長を続けてきました。現在でも米国株式市場は世界最大級の規模を持ち、世界の株式市場を代表する指数として広く利用されています。
そのため、
「これからもアメリカ経済は成長し続ける」
そう考える方には非常に魅力的な選択肢になります。
一方で注意点もあります。
投資先はアメリカ企業だけです。
もし将来、アメリカ経済が長期間低迷した場合には、その影響を大きく受ける可能性があります。
もちろん500社に分散されていますが、「国」という視点ではアメリカ一国への集中投資と言えるでしょう。
オルカンは「世界中」に投資するファンド
一方のオルカン(オール・カントリー)は、その名の通り世界中へ投資するファンドです。
アメリカはもちろん、日本、イギリス、フランス、インド、台湾、カナダ、オーストラリアなど、多くの国や地域へ分散投資できます。
「世界経済全体が成長する」と考える人には、こちらの方が安心感があります。
「アメリカが伸びる時代もあれば、将来はインドや他の新興国が大きく成長する時代が来るかもしれない。」
そんな未来にも対応できるのがオルカン最大の魅力です。
実はオルカンの中でも、現在はアメリカ企業の比率が半分以上を占めています。
つまり、
アメリカが成長すれば恩恵を受けながら、それ以外の国の成長も取り込める。
これがオルカンの強みなのです。
では、どちらが儲かるのでしょうか?
ここが一番気になるところでしょう。
過去の実績だけを見ると、多くの期間でS&P500の方が高いリターンを残しています。
理由はシンプルです。
ここ10年以上はAIや半導体、クラウドサービスなどを中心に、アメリカの巨大IT企業が世界経済をけん引してきたからです。
しかし、投資で一番難しいのは「過去と同じ未来が来るとは限らない」ということです。
10年後、20年後もアメリカが世界一であり続けるかは誰にも分かりません。
もしかするとインドや東南アジア、あるいは今は想像もしていない国が世界経済を引っ張る存在になるかもしれません。
未来は誰にも予測できないからこそ、「世界全体に投資する」という考え方にも大きな価値があります。
私ならどちらを選ぶ?
この質問もよくいただきます。
私の考えは非常にシンプルです。
投資初心者なら、まずはオルカンがおすすめです。
理由は「安心して続けやすい」からです。
投資で最も重要なのは、途中でやめないこと。
値動きが気になって眠れなくなったり、「アメリカが大丈夫だろうか」と毎日ニュースを気にしてしまうようでは、長期投資は続きません。
オルカンなら世界中に分散されているため、精神的な安心感があります。
一方で、
「私はアメリカの成長を信じている。」
「多少値動きが大きくても構わない。」
という方であれば、S&P500を選ぶのも十分合理的な考え方です。
実際、この2つはどちらを選んでも、長期で積立を続けられれば大きく間違える可能性は低いと私は考えています。
一番もったいない人とは?
実は、一番もったいない人は、
「どちらにするか迷い続けて、何年も始めない人」です。
投資では、銘柄選びよりも「時間」が味方になります。
20代で始める人。
30代で始める人。
40代で始める人。
50代で始める人。
それぞれ積み立てられる期間は違います。
だからこそ、「どちらを選ぶか」で悩むより、「今日から始めるか」の方が何倍も重要なのです。
新NISAは、一夜でお金持ちになれる制度ではありません。
しかし、毎月コツコツ積み立てることで、10年後、20年後、30年後には大きな資産を築ける可能性があります。
私自身も20年以上投資を続けていますが、資産形成で一番大切だと感じるのは、特別な才能でも、相場を読む力でもありません。
「長く続けること」
この一言に尽きます。
焦って大きな利益を狙うよりも、毎月一定額を積み立て、暴落が来ても慌てず、生活に無理のない範囲で続ける。
その積み重ねこそが、将来の安心につながります。
もしこの記事を読んでいるあなたが、「新NISAを始めようか迷っている」という段階なら、まずは毎月1万円でも3万円でも構いません。
大切なのは、完璧なタイミングを待つことではなく、未来の自分のために最初の一歩を踏み出すことです。
10年後、20年後に「あの時始めて本当に良かった」と思える日が、きっとやってくるはずです。